漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(176)立冬 木枯らし1号の季節
●24節気 立冬(11月7日~21日頃)
冬の始まり、木枯らし1号の季節です。発表があるのは東京と近畿だけで、条件は微妙に違いますが、概ね10月半ば~11月末に西高東低の気圧配置になり西北西から北の風が風速8m以上吹くと発表されます。
この時期になると紅葉前線も南下してきて、街路樹も紅や黄に色づき、葉を落とします。日差しが弱くなり栄養をとりにくくなった樹木が、エネルギーの消費を抑えるためです。
逆に積極的に栄養をため込み冬をやりすごし、次年の成長のために備えている植物も。たとえばれんこん。夏に美しい花を咲かせ一生懸命つくり上げたエネルギーを地下茎にため始め、栄養分いっぱいのこの時期を迎えます。この地下茎こそが、あの白くておいしい野菜のれんこんです。季節の恵みに感謝しながらいただきましょう。
●ごうんろっきで気象うらない
五運六気・2024年(甲辰年)主運が水運太過で寒さが強まるうえ、客運が火運不及で例年より寒い冬になりそうです。
* * *
五運は、5惑星「木(風)・火(暑、熱)・土(湿気)・金(乾燥)・水(寒)」をなぞらえた天の気。六気は、地球の地の気である「風・寒・暑・湿・燥・火」。この組み合わせで24節気ごとに巡ってくる気象と、それが私たちの身体に及ぼす影響を予想するのが「五運六気」。
◆れんこん餅のにんじん入りあんかけ
寒さに備えてパワーチャージ
エネルギー287kcal たんぱく質3.3g 塩分1.6g(1人分)
〈材料・2人分〉
・れんこん……300g
・片栗粉……大さじ2
・サラダ油……大さじ2
・にんじん……30g
・クコの実……小さじ2
A・酒・みりん各大さじ1、顆粒だし小さじ1、しょうゆ小さじ1/2、塩少々
・水溶き片栗粉(水大さじ1、片栗粉大さじ1)
・しょうが(すりおろし)……小さじ1
・小ねぎ(小口切り)……小さじ1
〈作り方〉
(1)れんこんは4枚薄切りにして、残りの3分の2をすりおろし、3分の1をみじん切りにする。にんじんはせん切りにする。
(2)おろしたれんこんの水気を軽く切り、みじん切りのれんこんと片栗粉を入れて混ぜる。4等分して平たく丸め、薄切りのれんこんを片面に張り付け、油を熱したフライパンで両面を弱火で焼く。
(3)鍋に1カップの水(分量外)と(1)のにんじんを入れて火にかけ、煮立ったらクコの実を入れる。Aを加え、水溶き片栗粉でとろみをつけてあんをつくる。
(4)器に(2)を盛り、あんをかけて上に小ねぎとしょうがをのせる。
●れんこん Lotus root
【栄養学】身体の免疫力を高めるビタミンCを多く含みます。ビタミンB群、たんぱく質、ミネラル類、食物繊維も豊富な根菜類です。
【薬膳学】加熱することで腎を温め胃腸の調子を整えます。寒さに向かう季節には身体を温めるしょうがやねぎを加えると効果が高まります。
東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師 北智子(レシピも)