海外通信 外食ビジネスの新発想(93)目を奪うクレージーシェイク!! 15席の小さな店から世界へ

「コットンキャンデー・シェイク」 19$50¢ バニラ・フロスティングに青・ピンク・白のスプリンクルを散らし、ピンクのロリーポップ、青とピンクのロックキャンディ、ホイップクリーム、綿あめをトッピングしたストローベリーシェイク(courtesy of Black Tap)

「クッキー・シェイク」 18$ バニラ・フロスティングに砕いたクッキーを散らし、クッキーサンド、砕いたクッキー、チョコチップ、ホイップクリーム、チョコレート・ドリズルをトッピングしたバニラクッキー・シェイク(courtesy of Black Tap)

「ニューヨーカー・シェイク」 19$50¢ バニラ・フロスティングに砕いたグラハム・クラッカーを散らし、イチゴチーズケーキのスライス、ホイップクリーム、イチゴをトッピングしたストローベリー・シェイク(courtesy of Black Tap)

F1レースウィーク期間限定のクレージー・シェイク、FXの「エイリアン・アース」などコラボ・シェイクも展開しており、結果、楽しくおいしいシェイクが次々に誕生しているという(courtesy of Black Tap)
●「シェイク」+「バーガー」+「クラフトビアー」が3本柱
ニューヨークのソーホーに15席の「ブラックタップ・クラフトバーガー&ビアー」第一号店がオープンしたのは、2015年3月のこと。ウォーホル、バスキアなどのポップアートの巨匠と、80年代、90年代のヒップホップ・ミュージックのバイブ、そして、クラフトビールとバーガーとシェイクという無敵のメニューが火を呼んで、今や、アメリカ国内は、NYに2店、アナハイム(ディズニーランド)、ラスベガス、ナッシュビル、ダラス、そして海外は、バーレーン、イラク、ロンドン2店、マレーシア、カタール、サウジアラビア2店、シンガポール、スイス6店、アラブ首長国連邦3店と拡がり、今もまだ拡大中だ。
同店のとんでもなく豪快なクレージー・シェイクは、同店の目玉商品だ。ケーキのスライスがそのままドカンとのっかっていたり、シェイクとはどうも不釣り合いなピクルスが飾られていたり。見た目もインパクト大だが、食べるのもまた強烈な体験だ。
尋ねてみると、「われわれが目指したのは、クラシックなアメリカン・ミルクシェイクを、過激でインスタ映えする一品に昇華させることでした。まず、ケーキの丸ごとスライス、綿あめ、クッキー、キャンディなど、色鮮やかなトッピングを山盛りにするところから始めました。巨大で奇抜で、視覚的なインパクトを重視したデザインでした。フード・インフルエンサーや有名人セレブが写真をシェアし始め、需要を後押しし、ミルクシェイクを文化現象へと変貌させたのです」ということだ。
クレイジー・シェイクは、エグゼクティブ・シェフのスティーブン・パーカーとCEOのジュリー・マッギンが、クリエイティブ・チームおよびマーケティング・チームのメンバーの意見を反映させて考案しているという。F1グランプリやマーベルなど、大手ブランドとのコラボレーション・シェイクも手がけている。
しかも、同店に来れば、数々のバーガー賞を受賞したというおいしいバーガーを楽しむこともできるし、クラフトビールも飲める。
世界各地に展開しながらも、ブラックタップは一つのビジョンを全店舗で共有しているという。「最高のバーガーやシェイク、ドリンク以上のものを提供すること、すなわち、写真におさめたくなる瞬間、記憶に残る体験、稀有な感動の瞬間という完全な体験を届けること」だという。このビジョンこそが、文化の相違を超え、世界に共通する成功の秘訣になっているのだろう。
(外海君子)
●店舗情報
店名=ブラックタップ・クラフトバーガー&ビアー(Black Tap Craft Burgers&Beer)
所在地=45 West 35th Street New York NY 10001