オール電化厨房特集:電化厨房の現状と動向=電化厨房の現状
ハンバーガーのマクドナルドの大安売りに始まり、TVでも大きく報じられた「吉野家」「松屋」などの牛丼合戦に見られるように、外食デフレのイメージは高まるばかり。外食企業も早急な構造改革を迫られている。当然、店舗や厨房改装の費用捻出は、極めて厳しい状況にある。
しかし、この逆境のなかでも、電化厨房は広がりを見せている。例えば、電磁調理器(IH/インダクション・ヒーター)のハイパワーが清潔なオープンキッチンを演出したり、直火のない厨房機器のスタックオン(重ねあわせ)で省スペース化を図るなど、電化厨房の活用方法や可能性は、未来像の経営戦略として広がりを見せている。また、この時期、設備投資に積極的な企業は、元気の良い企業、すなわち勝ち組が中心でもある。冒頭の大手牛丼チェーンも、生命線の調理機器を電化しはじめている。
不景気といわれる外食産業界でも右肩上がりの業態がある。弁当惣菜を扱う中食市場である。かねてパパママ経営の個人店から、近年では「オリジン弁当」「地球健康家族」に代表される惣菜専門店、そして、昔は生鮮三品がセールスポイントだったスーパーマーケットからコンビニエンスストアの惣菜売り場まで、幅広い業種業態が中食市場に進出している。また、従来これらの厨房の熱源は多くがガス式であったが、近年は、新築に限らず老朽化した店舗の改修工事の段階にも、主要熱源の電気転換が目立っている。
(新調理システム推進協会事務局長/ニチワ電機コンサルティング室長・西耕平)