まかない味シュラン(60)ルーシュン・前原健人料理長
中国料理「焼賣太樓」経営のアジアレストラン&バー。中国料理をベースに多彩な味を提供している。
「まかないも教育の一環と考えています」と、前原健人料理長。宴会場もある広い店だけに、まかないはフロアスタッフも入れて約二〇人分と多い。昼夜二回作られるが、経験を問わず、調理スタッフみんなが交代で担当するという。メニューも担当者本人が考えるが、料理長には前日に報告する。
「まずメニューは、栄養やカロリーなどのバランスが大事。健康管理も考えて、アドバイスしています。また、臭みの抜き方や味の入れ方などのテクニックなしでは、ウチの料理は作れない。まかないは、中華の基礎を教える機会でもある」。例えば、豚バラ肉の臭みの抜き方を三~四時間もかけて指導するなど、営業時間内ではできないことも、まかないを通じて教えているという。
経験が少ないとうまくいかない時もあるが、料理は積み重ねて上達していくもの。まかないが、ランチメニューのヒントへと発展することもありえる。料理人としての発表や主張の場でもあるのだから、まかないにも心を入れて作って欲しいという。「おいしいものを作ろうという気持ちが大切。仲間のことを考えられなくて、お客さんのことを大事に思えるかということです。メニューもじっくり考えて欲しい」。失敗しても、アツアツを出そうという気概が重要なのだ。「まかないが食べ残されることは、まずない」とかで、その熱意はほかのスタッフにも伝わっているようだ。
◆ルーシュン=大阪市北区天満橋一‐八‐三〇、OAPタワー三八階、電話06・6358・8611
◆ルーシュンのまかないメニュー(夜)
月曜日 カレーライス
火曜日 手羽先の唐揚げ
水曜日 豚の角煮
木曜日 とんこつラーメン
金曜日 長崎皿うどん
土曜日 鯵の塩焼き
日曜日 中華丼、味噌汁