電化厨房最前線(10)つぼ八・上野駅前通り店

2002.08.05 257号 17面

居酒屋「つぼ八」は直営約60店、FC約490店を展開する大型チェーン店。多種多彩な料理と飲み物を低価格で楽しめるのが男性客に人気だ。現在約40店に電化を採用。昨冬には電磁対応の土鍋を独自に開発し、電化の可能性を広げることに成功している。「上野駅前通り店」で同社の建設営繕部部長・樋口康彦さんに話を聞いた。

「つぼ八・上野駅前通り店」は上野六丁目にあるビルの二階と三階にある。二階席一〇八席、三階席五二席で総席数一六〇席の明るく落ち着いた雰囲気の店だ。

「電化は、一〇年前に北海道で地下店をオープンする際に、排気量を減らす必要があって採用したのが最初です」と電化導入のきっかけを語る建設営繕部部長・樋口康彦さん。

「電化は調理場が涼しく、きれいに使えると従業員の評判もよいうえ、経費の削減効果も大きい」と非常に満足そうな様子だ。

「まず第一に、拭き掃除できれいになるので、水道使用量が減りました。ガス使用店では五〇から五五度にも上がる天井周辺温度も電化では四〇度前後。空調への負担も大幅に軽減されています。水道光熱費が二割から三割も下がっています」

また毎日一時間以上かかっていた営業終了後の掃除も半分以下の時間で済むようになり、午前〇時までの営業日でも従業員が終電で帰れるようになった。タクシー利用の交通費もなくなったという。

同チェーンでの電化の評価は高く、現在は四〇店に電化が導入されている。

さらに電化を活用するべく、昨年は独自に電磁調理器対応のオリジナル土鍋を開発した。「一年かけた」という自慢の土鍋は、鍋底に薄いカーボンプレートを埋め込むことで電磁に対応できるようにした優れもの。電化では土鍋は使えないという常識を覆し、電化の可能性を広げた画期的なアイテムだ。また従来から使用していた土鍋を改良しているため、ガス使用の店と共通のオペレーションで調理できるのも大きなメリットになっている。

「土鍋を使った料理では『ホンズワイガニ雑炊』(四五〇円)、『キムチナベ』(三八〇円)が人気です。また電化は立ち上がりが早く、人気メニューに注文が集中してもお客さんを待たせることがないのがいい」と副店長の山崎龍人さん。

電化は忙しい居酒屋チェーン店でも強い味方になっている。

◆現場からの声 建設営繕部部長 樋口康彦

電化は立ち上がりが早いので、調理に時間がかかりません。それだけお客様に早く料理を提供できます。そのうえガスに比べてランニングコストも安いですから、ガスと同じ時間をかけて、じっくりとぜいたくに料理すれば、さらにおいしい料理をつくることもできます。

時間とコストを節約できたぶん、味とサービスを向上させることができ、お客様に喜んでいただいています。今後も電化のメリットを積極的に生かしたメニューを開発していこうと考えています。

◆店舗メモ

「つぼ八・上野駅前通り店」/所在地=東京都台東区上野六‐一三‐二、渡辺上野ビル二~三階/電話03・5807・7588/営業時間=平日・午後4時~午前5時、日曜祝日・午後4時~午前0時/スタッフ=調理スタッフ一七人、サービススタッフ四人(社員四人、アルバイト一七人、男性一五人、女性六人)/使用機種=電磁コンロ三φ二〇〇v三キロワット一台、一φ二〇〇v二・五キロワット一台、一φ二〇〇v一・二五キロワット×二口二台、一φ二〇〇v一・二キロワット一台、電磁フライヤー三φ二〇〇v七キロワット一台

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