飲食トレンド:マイナス成長時代の外食業 厳しさ増す外食業、生き残り策に必死

2003.09.01 272号 1面

連日メディアから流れるグルメ情報。六本木ヒルズなど話題のビルではレストランが開店景気に沸き、活況を呈している。しかしその裏側では消えていく飲食店も少なくない。外食市場はいま一段と厳しいマイナス成長の時代を迎え、各社とも生き残りに必死だ。

外食産業総合調査研究センターによると、2002年の外食市場は25兆5749億円。97年のピーク時に比べ12%減で、年々下落を続けている。日本フードサービス協会がまとめた同年の既存店売上高は、前年比5.6%減と過去最大の落ち込み幅。

今年5月の市場動向調査では、全店売上高も0.8%減と、2ヵ月連続で前年実績を下回った。店舗数は4.9%増えたものの、客数は0.1%増にとどまり、客単価が0.9%下落した。つまり店舗数が増えた分、過当競争がより激しくなったことを物語っている。

5月の新店を除いた既存店売上高は6.3%減。客単価は0.6%減にとどまったが、客数が5.8%減と落ち込んでいる。既存店の不振が深刻だ。

業態別ではパブ・ビアホールが7.5%減、洋風ファストフードが4.6%減と振るわない。一方、セルフカフェチェーンの大量出店で、喫茶は10.9%増。焼き肉レストランも6.5%増となった。

外食産業を取り巻く環境は、デフレによる客単価の下落、個人消費の冷え込みなどで悪化している。第一生命経済研究所の調査によると、この1年で30~40代の主婦の約半数が「外食出費を減らした」という。

かたや弁当チェーンやコンビニの惣菜は急成長しており、2002年の中食市場は5兆8710億円と5年間で35%伸長。スーパーや百貨店の営業時間も延びて、さらに競合は激しくなっている。

飲酒運転の規制を強化した改正道路交通法の影響も大きい。アルコール比率の高い郊外の居酒屋やレストランでは、一時売上げが2~3割も落ち込んだ。各店ともランチを導入したり、ノンアルコール飲料や食事のメニューを充実させるなどの対策を立てているが、郊外の出店に慎重になる飲食店も出てきている。(2面につづく)

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