アパレルに学ぶ盛り付けのヒント:障害者アートの「ヘラルボニー」

2026.03.02 565号 06面
凸凹や輪っかがある意匠糸を生かしたさをり織りを商品化

凸凹や輪っかがある意匠糸を生かしたさをり織りを商品化

 ●織物からオリジナルの新アイテム販売

 「ヘラルボニー」をご存知ですか? 障害のある作家のアート作品を生かしたIP(知的財産)ビジネスが主力のブランドです。画期的なのが、福祉の領域では低価格に抑えられていた原画に正当な価格をつけて流通させ、障害のある作家に還元する点。社会常識を揺さぶりながら、岩手県盛岡市を本拠地に、東京やパリまで店舗を広げています。

 飛行機や電車のラッピングを含め、チョコレートなどさまざまな分野で協業を拡大しており、飲食業界の皆さんにもすでに有名かもしれません。ファッション分野では、絵画作家と契約し、その作品をプリント柄として、スカーフをはじめ、ブラウスやワンピースなど多くのアイテムを企画・販売してきました。

 この1月からは、新しい協業によるアイテムを販売しています。絵画ではなく、福祉施設で毎日「さをり織り」作りに勤しむ作家の作品を原型に、生地そのものをオリジナルとしたベストやポーチです。

 さをり織りは、意匠糸と呼ばれる多彩な糸を経糸や緯糸にして織り上げますが、幅が20~30センチしかなく、洋服の生地に使うには難しい面があります。しかし、一点物のさをり織りの個性をそのままに、日本ホームスパン(岩手県花巻市)が既製品に使えるテキスタイルに再現しました。小売価格はベストで8万円、ポーチで2万円ほど。

 (繊研新聞社 取締役編集局長 若狭純子)

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