2003年度の惣菜市場 7兆円に迫る市場規模 05年の「惣菜白書」から
(社)日本惣菜協会がこのほどまとめた2005年版「惣菜白書」によると、百貨店、総合スーパー、食料品スーパー、CVS4業態で1万6410店、105社を調査した結果、03年度惣菜の市場規模は、6兆9683億円であり、前回調査(02年、6兆8556億円)に対し1・65%の伸びとなった。業態別では、食料品スーパーが2・50%増、総合スーパーが1・97%増、専門店ほかが1・73%増、コンビニエンスストアが0・76%増だったが、百貨店が唯一3・88%減という結果になった。(表1)
◆食の支出構造 10年で支出13・0%縮小
食の構造変化について、家計消費の面から94年と04年を比べると、外食・調理食品の支出は食料支出の中で、25・2%から28・9%と10年で3・7%伸びている。(表2)
食料支出は、94年一世帯当たり105万7066円から04年91万9970円と13・0%縮小している。この間、世帯構成人員は3・49人から3・19人まで減少。外食支出は16・7%から18・0%に、調理食品は8・5%から10・9%と相対的ウエートを高め、食の外部依存傾向が続いていることを示している。04年、調理食品は10万0014円と前年よりやや減少する結果となっている。調理食品の中で伸びているものは、主食的な食品である弁当、調理パン。ほかの主食的調理食品はほぼ横ばい、もしくは縮小傾向にある。
◆惣菜に対する今後の取組み~高齢化社会を迎えて~
「安全・安心」「少量パック」「健康」「栄養表示」のキーワードは全業態共通している。高齢化を意識した回答として「薄味にする。硬いものは避ける」という回答もCVSにはあった。業態別上位回答は次の通り。
「百貨店」=デリバリー(ケータリング)の強化/定期的(1週間に2日)に栄養士によるアドバイスを実施。店頭での顧客の声を生かす/健康、安全・安心、無添加商品。
「総合スーパー」=高品質、少量パック/食べきりの少パック化を推進することで、販売数は拡大すると思う。味は年代より地域を重視する/栄養成分表示の徹底。
「食料品スーパー」=無添加の素材で調理販売/必要量と品ぞろえ。安全・安心/生鮮食料品を使ったメニュー。
「CVS」=魚、野菜などの食材の工夫。添加物の削減。契約栽培米の使用など/保存料、合成着色料の廃止/健康にいい商品提供。
同様に「主婦層の取り込みについて」という設問では、全業態とも価格訴求が上位になっている。
◆業態別カテゴリーマーケット CVSは6割が弁当
業態カテゴリーマーケットは表3。
「専門店ほか」のトータルマーケットは2兆7557億1500万円で、カテゴリーシェアは調理麺、一般惣菜、米飯類、調理パンの順となっている。
「百貨店」はトータルマーケット142億2700万円で、カテゴリーシェアは一般惣菜、米飯類、調理麺と続き、前年と比較すると一般惣菜が2%、米飯類が7・2%それぞれシェア拡大し、調理パンが10・8%と大幅に縮小している。
「総合スーパー」のトータルマーケットは8443億5200万円で、カテゴリー別のシェアは一般惣菜、米飯類、調理パンと続き、前年と比較すると米飯類が4・3%拡大し、その分、調理麺と一般惣菜が縮小している。
「食料品スーパー」のトータルマーケットは1兆4778億7000万円でカテゴリー別のシェアは一般惣菜、米飯類の2カテゴリーで全体の93・4%を占める。
「CVS」のトータルマーケットは1兆8762億0100万円で、カテゴリーシェアトップの米飯類が60・9%を占め、ほかのカテゴリーを大きく引き離している。次いで調理麺、調理パンと米飯類以外のカテゴリーシェアは拮抗している。(表3)
◆最近一週間の品目ごとの購入頻度1位は弁当 消費動向調査
首都圏、近畿圏、九州圏の女性1287人、男性659人に聞いた。
調査直前の一週間に、提示した40品目の惣菜・弁当を購入した人の割合は、女性では「弁当」が48・5%でトップとなった。1位以下は「巻寿司」「おにぎり」「コロッケ」となった。男性でもトップは「弁当」で55・6%。続いて「おにぎり」「鶏の唐揚げ」「サンドイッチ」という結果になった。
女性では上位10品目中6品目、男性では同5品目が主食類だった。昨年は男女一緒だが、1位が「コロッケ」で、2位以下は、「うどん、そば」「サンドイッチ」となっていた。「弁当」の購入頻度が高くなっているのは惣菜が副菜よりも主食的意味合いが色濃くなってきていること、食のバランスを考えてきたとは受け取れないだろうか。