稲庭うどん小川、冷凍稲庭うどんを業務用向けに発売へ

2006.07.03 316号 8面

高級手延べうどんの産地で知られる秋田県稲庭町の有力メーカー、(株)稲庭うどん小川(本社=湯沢市、電話0183・43・2803)は、稲庭うどんの冷凍麺を業務用に販売する。市販用では「稲庭うどん風」といった商品が冷凍、チルドで大手メーカーから発売されているが、産地のメーカーが手掛けるのは初めて。

同社が供給する原麺を委託先メーカーがゆで戻し、冷凍する。「手軽に本物を食べてもらいたい」(小川信夫社長)との思いで、3年前から大手製粉と開発に取り組んできた。現在業務用問屋と販売先をリサーチしているが、麺の価格が高く、高級麺のイメージも定着していることから、当面は限られた料亭、和風レストラン、居酒屋などが販売先になる模様。

同社はさらにフリーズドライ(FD)の麺も開発中で試作品が出来上がっている。麺を細かく砕き、カップに入れた「麺がゆ」を発売し好評なため、この実績をもとに取り組んだ。年内に発売される予定で、湯を注ぐだけで本格的な稲庭うどんが楽しめる。

伝統に頼らずこうした商品開発に力を入れる背景には、産地全体での稲庭うどんの伸び悩みがある。「高価格が通って特別扱いされてきたが、これからは難しい。手間のかからない、時代に合った商品も求められる」(同)とし、稲庭うどんのカップ麺も考えている。

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