外食の潮流を読む(130)価格の加盟店が独自に業態開発 新業態をつくり業容拡大路線拓く
近年、東京の居酒屋市場で「Z世代に人気」という店が急速に台頭してきている。これらに共通していることは、「ドリンクがひたすら安い」こと。ビール、ハイボールが200円以下である。そして、客単価は2000円あたり。客層は見事に20代である。
その中の一つ「均タロー」を展開しているジェネストリー(本社/東京都大田区、代表/東明遼)が、独自の方向性を歩み出した。「均タロー」の1号店は、2022年7月、東京・下北沢にオープンした。以来、東京を中心に16店舗(うちFC4店)を展開している。
東明氏は高校卒業後、外食企業の焼鳥店に勤務。4年間勤めて、22歳で独立開業し、2店舗出店したが、営業が安定しないことからFC加盟を検討した。そこで、「加盟金50円、ロイヤリティー50円(当時)」という「鶏ヤロー」に注目した。
「鶏ヤロー」の1号店は14年に開業。東武スカイツリーライン獨協大学前駅の近くで、「ドリンク全品99円」を筆頭にした低価格路線は、学生たちによく受けた。客単価2000円で定着していった。
同社が「鶏ヤロー」に加盟して、最初の店をオープンしたのは19年。その後は、コロナ禍になってからも店を増やし5店舗体制となった。
この頃、社内的には「そろそろ直営店を出そう」と構想を練った。念頭にあったのは「鳥貴族」のイメージ。それよりちょっと低い料金均一であれば、十分に戦うことができるのではないか、と。そして、お通し代をいただかない。さらに「食べ飲み放題があると、予約を取りやすい」というアドバイスを受けて「食べ飲み放題2980円」(税込み)を導入した。
22年7月、同社が既に「鶏ヤロー」を営業している下北沢に物件が出た。そこで、「鶏ヤロー」に「均タロー」が対抗する形で出店した。この「均タロー」は24坪60席で月商600万円くらい。翌23年3月大宮に70~80席の「均タロー」をオープン。運営は好調で同店は1000万円を売り上げるようになった。「食べ飲み放題2980円」が認知されることによって、客単価は2400円前後になっている。
続く25年10月、千葉・柏駅から徒歩10分の場所に、新業態「魚えもん」をオープンした。開発の狙いは「均一価格」で、「鮮魚料理」にチャレンジすること。現在の鳥貴族は「390円」ということから、「魚の均一価格で挑戦しても十分に戦うことができるのでは」と見立て、刺身を「439円」の均一価格に設定した。
「魚えもん」は50坪の規模で、初月に1300万円を売った。客単価は今、3400円となっている。東明氏はこう語る。
「低価格業態をやってきて、限界を感じるようになりました。できたら値上げをしたい。それができないのであれば、社内に別軸を設けるべきだと。それが『魚えもん』となって、良い営業につながっています」。
同社は「Z世代に人気」と位置付けられている中で、このように独自の路線を歩み出している。
(フードフォーラム代表・千葉哲幸)
◆ちば・てつゆき=柴田書店「月刊食堂」、商業界「飲食店経営」の元編集長。現在、フードサービス・ジャーナリストとして、取材・執筆・セミナー活動を展開。













