デイリーヤマザキ、店内調理の「デイリーホット」を今期400店舗に拡大

2007.05.07 328号 6面

(株)デイリーヤマザキ(千葉県市川市、電話047・323・0001)は、店内調理システム「デイリーホット」の導入店を今期末(12月末)までに400店へ拡大する。これまでは厨房・売場が確保しやすい新店から導入してきたが、前期からは既存店への導入が進んできた。既存店売上げが前年割れの中で、デイリーホット導入店は前年売上げを上回っている。下期からは「半焼成後冷凍」パン生地を採用し、パン・調理パンの作業効率改善、販売機会ロス防止を図る。

デイリーホットは焼きたてパン、弁当、おにぎり、調理パンを店内厨房で作って提供する仕組み。設備機器、システムは親会社の山崎製パンが開発した。前期は70店に新規導入、06年12月末314店(全店の約2割)に増えた。今期は86店増の400店を目指す。

デイリーホット導入後は平均して日販10万円以上増加、女性客比率が10ポイント上昇、粗利益率も改善する効果をあげている。CVS部門の弁当、おにぎり、調理パンと店内競合するが、「デイリーホットは焼く、炒める、生野菜使用など素材強調型メニュー。CVS商品は盛り付けや製造に手間のかかる幕の内弁当、炊き込みご飯など、それぞれの特徴を生かした品揃えにしている。デイリーホットは深夜は作らないので、その時間帯はCVS商品でカバーし両方で売上げ拡大を目指す」(田中大デイリーホット事業本部デイリーホット企画部マネジャー)としている。米飯、調理パン、パンの売上げは、デイリーホットがCVS商品を上回っているという。

今期のデイリーホット事業本部の課題は値入れ率と店舗作業効率の改善。値入れ率改善には焼きたてパンと弁当・調理パンの食材共有化を進める。それによる食材の単品大量仕入れで値入れ率を高める。個食対応も対策のひとつだ。例えば、「1層サンドイッチ」は1枚入りで140~190円。通常は2枚入りだが、1枚にして具材のボリュームアップで価値を高め、十分な値入れ額のとれる価格設定ができる。

作業効率改善策として、早ければ6月から半焼成後冷凍生地を使ったパン、調理パンを販売する。従来の発酵前冷凍生地は発酵・焼成に2~3時間必要だが、半焼成後冷凍生地は焼成5~15分で出来上がる。パン・調理パンの需要が高い朝の品揃えが短時間で充実できるようになる。

弁当食材のキット化、ユニット化も作業効率改善に貢献している。「300店を超えて食材の仕様発注が可能になった。焼き肉キットはたれに漬け込んだ肉が1食単位になっている。ムダがなく、作業時間が短縮できる」(同)という。

加盟店のデイリーホットへの関心は高いが、本部では、CVSとして営業力があることが導入条件、と強調する。

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