キユーピー、食べる「ヒアルロン酸」市場拡大へ 外食メニュー採用顕著
肌に潤いを与える成分として化粧品、食品などに使われ、人気の高まっているヒアルロン酸。食品用ヒアルロン酸販売量1位のキユーピーは、「ここ数年2桁成長が続く」と語る。
同社は鶏の鶏冠(とさか)に多く含まれるヒアルロン酸の研究開発に約25年間取り組み、現在、鶏冠抽出法と発酵法の2手法でヒアルロン酸を製造している。
健康機能事業・ファインケミカル本部担当の竹村茂樹取締役は「目薬などの薬品用途をはじめ、化粧品、食用など、ヒアルロン酸ニーズは拡大の一途をたどっている。今後は海外戦略にも注力し、ヒアルロン酸の機能のユニークさ、食品としてのおいしさ、やさしさを広めたい」と語る。
このほど東京本社で行われた記者説明会では、ヒアルロン酸の機能性解説として、肌の保湿メカニズムや、変形性膝関節症に対する臨床試験結果が紹介された。膝の痛みにより日常行動が困難になることは、高齢社会の深刻な課題。同社はヒアルロン酸の膝関節に対するメカニズム解析と応用研究を続ける構えだ。
食品用ヒアルロン酸の展開としては、外食メニューでの採用が著しい。映画館など娯楽施設では、ドリンクにヒアルロン酸をワンショット50円で添加するサービスが人気。「乾きが気になる」客層から高い支持を得ているという。居酒屋やラーメン店のフード・ドリンクメニュー、CVSのサンドイッチ、ベーカリーの全粒粉パンなどへの添加といった、美容や健康を気遣う層をターゲットにした商品への採用が特に盛んだ。
業務用商品「キユーピーヒアロジュレ」は汎用性が高く、食べて満足感を得られ、視覚的にも「ぷるぷる、みずみずしい」イメージを表すために無色無味のジュレ状タイプに設計されている。
居酒屋などでは「酒を飲まないお客向けの新ドリンク提案にも有効。客単価アップに貢献する高付加価値商材」として評価が高い。
キユーピーは多彩なメニュー提案と価値訴求で業務用、市販用ともさらなる市場拡大を目指している。