ファミリーマート、特殊立地店舗でセルフPOSレジ導入開始
ファミリーマートは年内をめどに、売り場規模の小さい特殊立地の店舗用として小型セルフPOSレジスターを東芝テックと開発する。病院や大学、工場など特殊立地の店は固定客率が高いため、セルフPOSレジ設置に適していると判断したもの。特殊立地中心に50~100店に導入する。同社は5月11日~6月5日の期間、都内3店でセルフPOSレジによる混雑緩和の実験を行っているが、これには既存POSレジを改造した機種を使っており、実験結果を小型POSレジ開発に生かす。
セルフPOSレジの実験は、伊藤忠ビル店など朝・昼のピーク時間の混雑が激しい都内3店で行っている。今回の実験の狙いは、(1)朝・昼のレジ精算時の混雑の緩和(2)電子レンジ加熱のセルフ化(3)購入商品の袋詰め作業のセルフ化–を検証すること。
伊藤忠ビル店はカウンター前の壁面にセルフPOSレジを設置し、午前7時~午後1時の販売ピーク時間に稼働する。未成年者を確認できない酒・たばこ、バーコードが付いていないカウンターFF、サービス業務などを除いた購入に対応できる。ファミマTカード・Tカードのポイント付加、販促(同カード割引、セット購入割引)にも対応できるよう、既存POSレジの改造型を使っている。
決済方法は、スイカ、パスモなどクレジット機能なしの交通事業者系電子マネーカードに限定した。電子マネーの残高照会や固定式スキャナーでの商品バーコード読み取りは、決済終了まで、購入商品が2~3点なら10~15秒で完了する。その後にお客自身が、弁当などの電子レンジ加熱、袋詰めを行う。
実験開始から1週間の平均利用率は5~10%。「慣れない袋詰めに時間がかかっているが、便利だから実験後も外さないでほしい、という声もある」(田中栄一システム企画開発部長)という。
工場、大学、病院などの特殊立地は売り場面積が小さく、朝・昼の時間帯に利用が集中し、路面店に比べて固定客率の高い店が多い。こうした条件の店はセルフPOSレジ導入効果が期待できることから、小型化したセルフPOSレジを導入していく。対象店は推計50~100店で、約300台の小型POSレジ需要があるとみている。また、セルフPOSレジの客層分析、利用促進のためにはファミマTカード会員拡大も欠かせない。