メニュートレンド:カラフルな四角いスタイルでブレーク「キューブシュークリーム」

2010.04.05 370号 01面
天然素材のパウダーが施され、色とりどりの「キューブシュークリーム」。かわいいカラーバウムクーヘンは贈答用としても人気

天然素材のパウダーが施され、色とりどりの「キューブシュークリーム」。かわいいカラーバウムクーヘンは贈答用としても人気

 シュークリームの常識を打ち破る、新しいカタチが、阪神百貨店梅田本店にある「color」の「キューブシュークリーム」。四角いスタイルに、まず驚き、色とりどりのカラーに、「どんな味?」と興味を引かれる。昨年11月に登場し、瞬く間に人気商品となった、その魅力に迫ってみた。

 通常で1日600個、多いときには1000個を売り上げる、colorのキューブシュークリーム(各351円)。味は10種類で、それぞれに、その味をイメージさせるカラーパウダーがトッピングされ、ズラリと並んだ光景はカラーパレットのよう。思わず足を止めさせる、インパクトのあるスイーツである。

 大きな特徴は、そのユニークなスタイル。四角いシュー生地は、幅・高さともに約6cm。中には、フルーツや野菜フレーバーのクリームが約60g詰め込まれており、ボリュームもたっぷりだ。

 そもそも、この商品が生まれたきっかけは、「ほかにはない驚きのある商品を、色彩で表現したい」という発想から。colorは、社長の嵜本将光さんと晃次さん、晋輔さんの3兄弟による洋菓子店「パティスリーブラザーズ」の新業態。

 「四角いシュークリームはできないものか」という、社長のひらめきがもとになっているという。

 「まず、四角いスタイルを作るために、シュー生地をパン型で焼くことを考えました」と、シェフ・パティシエの稲村桂一さん。しかし、シュー生地はショックを与えるとしぼみやすいもの。型で焼いても、きっちりとキューブの角を出せるかがポイントだったという。1ヵ月ほど試行錯誤を重ねて完成した、まさに「ほかとは違う」自信作である。

 クリームの一番人気は、ベーシックなカスタードだが、ほかのクリームも好評で、売り切れ御免の品も。カスタード以外のクリームには、白あんをベースに、生クリームと濃縮果汁などを合わせて調味。フルーツのほか、ニンジンやサツマ芋などの野菜類も、クリームで表現している。

 「見て楽しいのはもちろん、健康もcolorのテーマ。素材を生かした色や味の、ヘルシー感のあるクリームを目指しました」。クリームにあんを使用したのは、甘さ控えめのあっさりした味わいを出すため。あんに含まれる甘みだけを生かしたクリームにより、大ぶりながら飽きずに食べられるのも人気の秘密だ。

 また、カラフルなバウムクーヘン(各252円)も人気。直径約7.5cm、厚さ約2.5cmのミニサイズで、こちらも、野菜やフルーツを使用した15種類をラインアップしている。今後の新商品では、ケーキ風のカステラや、昨夏にブレークした、カラーわらびもちなども登場予定。季節感を大切に、独自の菓子作りを目指す、この店の挑戦に、今後も注目である。

 ●店舗情報

 「color」 店舗所在地=阪神百貨店梅田本店地下1F(大阪市北区梅田1-13-13)、電話06・6345・1201(代)/開業=2009年8月/営業時間・休日=阪神百貨店梅田本店に準ずる/1日平均来店客数=約300人/平均客単価=約1500円/スタッフ=4~7人/月商=約1000万円

 ●愛用資材・食材

 ・「北海小倉48」(株)北條製餡所(大阪府枚方市長尾家具町3-1-13)

 ・「九鬼太白純正胡麻油」九鬼産業(株)(三重県四日市市尾上町11)

 colorでは、クリームに使用するあんは、あん専門メーカー・北條製餡所の商品を使用。なかでも、抹茶と小豆クリームには、モンドセレクション金賞を受賞した「北海小倉48」が取り入れられており、スッキリした甘さに仕上がる。また、シュー生地の油脂として、バターと「九鬼太白純正胡麻油」を使用。生地に香ばしさや風味が出るとともに、健康によく酸化しにくいごまの成分も魅力という。

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