中華料理特集 アポなし!新業態チェック(46)IPPUDO TAO TOKYO
去る9月1日、博多ラーメンの「一風堂」などを展開する「力の源カンパニー」が、東京・銀座に新業態店舗「IPPUDO TAO TOKYO」をオープンした。今年4月に出店した福岡・天神の1号店、7月のシンガポール2号店に次ぐ3店舗目。同社の社長である河原成美氏がほれ込んだ、大分県久住を拠点にする和太鼓のパフォーマンス集団「TAO」とのコラボレーションにより生み出された新業態だ。
昨年の12月に、同社とTAOが共同で設立した新会社「TAO一風堂パートナーズ」が経営の母体となる。店内から食器やユニフォームまでがTAOのイメージカラーである赤と黒で統一されたモダンなデザイン。BGMにはTAOの音楽が流れ、店内に配置されたモニター画面でも映像が映し出される。
メニューは、従来から一風堂の人気メニューである細麺の豚骨ラーメン「一風堂・白」(750円)に加えて、黒香油を加えた極太麺の豚骨醤油ラーメン「TAO・黒」(850円、肉入り1050円)と、辛味噌を加えアクセントに香油をトッピングした細麺の「TAO・赤」(850円、チーズ入り1050円)という2種類のオリジナル商品が付け加えられている。TAO・赤は数種類の辛さが選べるほか、定番商品の「ひとくち餃子」(420円、ハーフ220円)や「替玉」(150円)など、一風堂ラーメンの基本はそのままだ。
同社では、食とエンターテインメントというテーマの下、今後この業態をアジアやヨーロッパなどの各国に出店する計画であるという。スケールの大きさに今後の展開が注目される。
★けんじの評価
一風堂といえば、ラーメン業界ではもはや伝説ともいえる河原氏が率いるラーメン専門店チェーンだ。1985年に福岡にオープンしたラーメン店「博多一風堂」を皮切りに、現在では日本国内だけではなくニューヨークやシンガポールにまで出店し、ラーメン店以外にも、日本そばの食文化とラーメンを融合させたラーメンダイニングの「五行」やベーカリー店、ちゃんぽん専門店、沖縄料理店など、多彩な業態を展開している。年商はすでに80億円に届くほどであり、幸楽苑や日高屋といった大衆型チェーンではないラーメン専門店から出発した企業としては最大級だ。
河原氏には、「Sushi」や「Sake」などと同じように「Ramen」を世界で通じる日本語にするという夢があるらしい。確かに、日本におけるラーメンという料理の広がりを考えてみれば、ラーメンにはそれだけの潜在的な可能性があるのかも知れない。シンガポール2号店では、すでに大きな話題を呼んでいるという。しかし、日本を離れた「スシ」が、すでに日本における本来の寿司からは遠く離れてしまったという現状を考えるとき、世界の中で認められる「ラーメン」を生み出すのは、必ずしも日本企業であるとは限らない、というのもまた現実だろう。
河原氏は芸術一家の家系に生まれ、自らもそうしたアートの世界に関心が高かったようだ。今回、和太鼓パフォーマンスで世界的に活躍するTAOという存在との出合いが、そうしたクリエーティブな精神と日本文化を伝えたいという意志が新しい展開を生み出したのだ。
(外食ジャーナリスト・鷲見けんじ)
●店舗概要
開業=2010年9月1日/所在地=東京都中央区銀座4-10-3、セントラルビル1階/席数=31
●鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。顧客の気持ちを外食企業に伝えるべく、甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。朝マックとロイヤルホストのカレーフェアをこよなく愛する外食ウォッチャー。













