メニュートレンド:つけ麺の新たな挑戦 「頑者 新横浜ラーメン博物館店」
「頑者(がんじゃ)」は、極太麺×濃厚つけだれ×魚粉というスタイルで、現在のつけ麺の潮流を作った。2000年に埼玉県川越市にオープン以来、10年たった今も行列の絶えない人気店だ。同店は、2009年秋から新横浜ラーメン博物館店で「あえつけ」という新しい食べ方提案とともに期間限定メニューを打ち出し、ファンの注目を集めている。つけ麺界でその名をとどろかせる、店主・大橋英貴さんが打ち出す、次世代のつけ麺とは何か? その意図を本人に直撃して伺った。
◆極太ストレート麺の可能性を追求 伊・中・和・印と続々!
2010年10月16日から第1弾「カルボナーラあえつけ」がスタート。麺の上に特製のクリームソースに香ばしく焼かれたベーコン、万能ネギ、生卵、その上にたっぷりの粉チーズと粗びきコショウがかけられている。新横浜ラーメン博物館広報の佐藤亮介さんは「当博物館では全店で年間30前後の限定メニューが企画されますが、平均の約3倍も売り上げているほどの驚異的な人気」と驚く。
「麺のおいしさをもっと伝えたい、その可能性の広さを知ってほしい。今回の限定メニューはその思いからスタートした」と大橋英貴さん。つけ麺に使う麺は、今も大橋さん本人が毎朝作り続けている極太ストレート麺。この麺のおいしさを存分に楽しめるように考案されたのが、麺の上に盛られたソースや具材を麺にからめて食べるあえつけというスタイルだ。あえた麺をそのまま食べたら、次はつけだれにつけて食べる、1食で2つの味、合わせて3つのおいしさを楽しめる。
まろやかなクリームやベーコンの香ばしさとともに食べる極太麺は、これまで気付かなかった麺の風味やおいしさを実感。極太麺の新たな可能性を引き出すチャレンジは見事に成功している。これをつけだれにつけて食べると具材・たれ両方のうまみを引き出し合い、新しい味を生み出している。「麺もつけだれも、いつもの味。限定メニュー用に調整してはいない」と大橋さん。その完成度の高さゆえの懐の深さを感じる。
「汁なし坦々あえつけ」(~2月15日)、「明太子バターあえつけ」(2月16日~4月15日)、「カレーチーズあえつけ」(4月16日~6月15日)と続く。イタリア、中華、和、インドと、趣の異なる味で組み合わせたのも、大橋さんの麺への絶対的な自信ゆえ。あえつけという新ジャンルへの期待がふくらむ。
●店舗情報
「頑者 新横浜ラーメン博物館店」 所在地=横浜市港北区新横浜2-14-21/開業=2010年6月/営業時間=平日:午前11時(土・日・祝は午前10時半)~最終入場午後9時から11時の間で変動、年末年始休/坪数・席数=14.7坪・27席/1日来店客数=非公開/客単価=非公開
●愛用食材・資材:(株)マルサヤ(東京都大田区西糀谷)「魚粉」
魚粉は、極太ストレート麺とともにつけ麺の現在の主流をつくった食材。これが「具材」として使われるようになるまで、試行錯誤が繰り返された。同店は、創業当時から、(株)マルサヤに特注したオリジナルのものを使用。具材として使うため、鰹節をベースに数種を独自にブレンドし味を調整。さらに粉のきめの粗さまで食感を考慮して試行錯誤を繰り返して作られている。同社は1962年創業以来、高級和食店やそば・うどん店を中心に鰹節を提供する老舗鰹節問屋。