近代メニュー革新!繁盛レシピ研究所:白楽天「焼豚玉子飯」

2011.01.03 382号 11面
毎日食べても飽きないシンプルな組み合わせ。大盛り(900円)は目玉焼きが3個、焼き豚5割増しに

毎日食べても飽きないシンプルな組み合わせ。大盛り(900円)は目玉焼きが3個、焼き豚5割増しに

当時の味を守り続ける2代目の関英輔店主

当時の味を守り続ける2代目の関英輔店主

 「焼豚玉子飯」は、白飯の上に焼き豚(チャーシュー)と目玉焼きをのせた、愛媛県今治市のご当地丼。単純明快かつ親しみやすい逸品だ。数あるB級グルメの中で、ここ数年、知名度を飛躍的に高め、集客力を発揮している。

 発祥は昭和40年代前半。市内の中華料理店「五番閣」のまかない食として生まれ、そこに勤めていた関政嗣氏が独立し、「五番閣チェーン」(現・白楽天)を出店。焼豚玉子飯と名付け、初めて一般客向けにメニュー化した。そして、今治市の町おこしに発展。いまや焼豚玉子飯を掲げる店は約60店に達し、それこそ観光集客の“目玉”と化している。

 ◆営業の概況:地元ご用達の中華料理店 実は「特やき」と「白楽天丼」が名物

 白楽天の立地は今治駅から徒歩10分ほどの役所街。中華料理全般を提供する130席の大衆飯店として、平日は地元客でにぎわい、休日は焼豚玉子飯目当ての観光客であふれている。

 「焼豚玉子飯は昔から当店の名物ですが、地元客中心の平日日販は約30食。それが観光客メーンの休日には約4倍以上に跳ね上がります」(2代目店主、関英輔氏)

 ちなみに地元客から絶大な人気を得ているのは、チャーハンに野菜炒めをのせた「特やき」(700円)と、白飯に薄焼き卵をのせ、豆腐のスタミナあんかけをかけた「白楽天丼」(700円)の2品。いずれも平日ながら30~50食は売れるという。

 ◆特徴と調理:まねするにはウナギのたれ!? ひつまぶしのように3度楽しむ

 焼豚玉子飯の作り方は、別掲の写真解説の通り。ポイントは、焼き豚のたれ(煮汁)と目玉焼きの火加減だという。

 「各店、焼き豚のたれが味の決め手。当店は40年間、継ぎ足してきた甘口のたれが自慢です」と関店主。多くのお客さまから「家でまねするには?」と聞かれ、「ウナギのたれが近いですね」と、答えているという。

 目玉焼きは、ラードを熱し、黄身に軽く火が通る程度、白身も半熟程度に焼き上げるのがコツ。また、目玉焼きの食べ方にも白楽天ならではの提案がある。

 まず、目玉焼き1個の白身を崩して食べる。次に黄身を1個崩して食べる。そして残った1個の目玉焼き全部を崩して食べる。いわば“ひつまぶし”のように3つの味が楽しめるというわけだ。

 ◆発祥と展開:五番閣のまかない食が発祥 今治焼豚玉子飯世界普及委員会を結成

 ルーツは、1965年創業の五番閣(現在閉店)のまかない食。焼き豚の切れ端を工夫して調理しているうちに自然発生したという。

 1970年、五番閣から関政嗣氏が独立し、白楽天の前身「五番閣チェーン」を出店。焼豚玉子飯を初めて世に打ち出した。

 「当時の店は今治北高校の隣。学生客が人気に火を付け、慣れ親しんだ卒業生が積み重なって、いまの活況があります」(関店主)

 そして約10年前から、今治名物としてメディアに登場する機会が増え、全国的に認知が広がった。かたや3年前、市内の有志飲食店で「今治焼豚玉子飯世界普及委員会」を結成。白楽天の2代目・関店主は、同じ五番閣出身で、焼豚玉子飯の認知普及を牽引した「重松飯店」とともに顧問職に就任している。

 ●店舗情報

 「白楽天」 所在地=愛媛県今治市常盤町4-1-19/営業時間=午前11時~午後3時、5時~10時、火定休

 ●焼豚玉子飯の作り方と食べ方

 (1)焼き豚をスライスカットし、さらに半分(一口大)に切って白飯に盛り、焼き豚のたれをかける。

 (2)鍋にラードを熱し、半熟の目玉焼きを2個作り、塩、コショウを振りかけ、焼き豚の上に流しのせ、好みにより焼き豚のたれをかける。

 (3)レンゲで好みに混ぜ合わせて食べる。コショウや一味唐辛子で好みに調味する常連客も多い。

 ◆エバラで再現!模擬レシピ:「うなぎ蒲焼のたれ」を使ってやってみよう!

 ●作り方

 焼き豚をスライスする。焼き豚のたれの代わりに「うなぎ蒲焼のたれ」を使う。

 ●使用食材

 汎用性に優れる甘口和風だれ「うなぎ蒲焼のたれ」

 醤油、みりんをベースに、うなぎエキス、カツオエキスを加えた、うなぎ蒲焼のたれ。焼き上がりに照りと香りを与えるほか、かけだれとしても活用できる。

 規格=1600g

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