シナジーマーケティングとリヴァンプ、購買連動型CRMサービス提供開始

2012.05.07 398号 06面

 大阪に本社を置くソフト開発会社のシナジーマーケティングと、ロッテリア経営再建やクリスピークリームドーナツ運営で知られるリヴァンプは、POS情報と顧客識別データのひも付けができるモバイル専用「購買連動型CRMサービス」の提供を始めた。ピンポイントで効果的な個別販促が打てる上、運営改善のもととなる顧客分析が低予算で導入できる画期的なサービスの登場となる。

 大手FFは独自システムの開発で、クーポンサービスなどを顧客別で出し分けしているが、従来の小売・外食業界が利用するシステムは現在、POS情報と個人情報はそれぞれが独立管理されている。そのため、集客に向けたクーポンや値下げキャンペーン告知は一律配布となり、客単価低下を助長する形になっていた。新発売した購買連動型CRMサービスは、シナジーマーケティングのクーポン・メール配信機能「シナジー」と、リヴァンプ子会社の大量データ分析支援サービス「瞬析ターボ」に、新たに開発した個人情報とポイント・クーポン管理システム「クルゾー」の3機能が備わったもの。

 来店時、レジ前に設置されたリーダーライターにモバイルをかざすと個人情報と購買状況を分析し、顧客一人ひとりに効果的な個別販促(クーポンやポイント)を打つ他、店舗単体や全体の販売状況の顧客分析で運営改善(在庫調整・メニュー改善)もできる。クリスピークリームドーナツ、コールドストーンなどでは4月から順次、同サービスを導入する。

 個別販促、顧客分析の他に同サービスの利点といえるのが、各企業が自前でリーダーライターを準備する点だ。既存のPOSレジに合うリーダーライターさえ用意すればPOSレジ変更なしで同サービスが導入できるので、初期投資が抑えられる。50店舗チェーンの場合で初期費用は約1500万円、1店当たり毎月約1万5000円の費用で運営できる。小売・外食チェーンの顧客満足度を上げ、激安戦争に歯止めをかける「早い・安い・軽い」新サービスかもしれない。

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