外食史に残したいロングセラー探訪(67)ケンタッキー・フライド・チキン「チキンフィレサンド」

2012.09.03 402号 08面
肉厚のフィレ1枚肉は、ボリューム満点(単品380円)

肉厚のフィレ1枚肉は、ボリューム満点(単品380円)

いつでも優しい笑顔でカーネルがお出迎え(KFC江の島店)

いつでも優しい笑顔でカーネルがお出迎え(KFC江の島店)

 ●オリジナルチキンを手軽に食べやすく 店舗での手作りにこだわる

 言わずと知れたチキン専門店、ケンタッキー・フライド・チキン。その数あるロングセラー商品のなかにチキンフィレサンドがある。肉厚でジューシーなフィレ1枚肉を使用した同商品は日本発のオリジナル商品で今では海外に認知されるほどの人気商品だ。チキン専門店が展開するロングセラー商品を紹介する。

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 創業者であるカーネル・サンダースがオリジナルチキンのレシピを完成させたのが1939年、今から73年前になる。その味は時代、地域を超え多くの人々に愛され続けている。そして、1970年に日本に上陸。同商品が誕生したのが1983年になる。

 開発経緯について同社広報室の横川すめおマネジャーは「当時チキン商品はオリジナルチキンだけでした。この味をもっと手軽に片手でも食べられないものかと検討、店舗社員などの意見も参考にしたところサンドが生まれました」と話す。

 一番のこだわりは、成型肉ではなく、フィレ1枚肉を使いオリジナルチキンと同じ調理法で作ることにある。看板商品のオリジナルチキンは、KFC登録飼育農場で育てられた生後40日前後(若鶏)のハーブ鶏を使用。そして、KFCカットチキン生産認定工場で9つにカットされ、万全の衛生管理システムの検品を経て、各店舗に毎日配送される。店舗ではカーネル直伝の11(イレブン)スパイスが入った小麦粉をまぶし、独自の高温高圧調理方法で揚げていく。

 「ライセンスを持つスタッフの管理のもとで、手作りで揚げています。これがKFCのこだわりです。そこには創業者、カーネルのおいしさに妥協をしないという思いが今も受け継がれているのです」と横川マネジャー。

 バンズ、野菜、ドレッシングも今なお進化し続けている。どれも11スパイスの味と若鶏のジューシーさを損なわないことが前提だ。

 オリジナルチキンから他のチキン商品が生まれたように、同商品から他のサンドメニューが派生し成功を収めている。そこには同社のスローガン“おいしいを、ずっと。あたらしいを、もっと。”の精神があるからで、さらに、今後のメニュー展開にも期待が持てそうだ。

 ●企業データ

 日本ケンタッキー・フライド・チキン(株)/本社所在地=東京都渋谷区恵比寿南1-15-1A-PLACE恵比寿/事業内容=ケンタッキー・フライド・チキン1166店(直営330店・FC836店)、ピザハット359店(直営店148店・FC211店)の運営(2012年3月末現在)。

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