メニュートレンド:馬のシャルキュトリー盛り合わせ 「馬肉バル 跳ね馬」

2014.08.04 425号 15面
木の板に盛り付けてビストロらしい演出を施す。中央が馬肉屋のパテドカンパーニュ、手前が馬肉のサラミ、右が馬タンスモーク、奥が馬肉の生ハム。自家製のピクルスを添える

木の板に盛り付けてビストロらしい演出を施す。中央が馬肉屋のパテドカンパーニュ、手前が馬肉のサラミ、右が馬タンスモーク、奥が馬肉の生ハム。自家製のピクルスを添える

JR田町駅と慶応大学を結ぶ「慶応仲通商店街」に立地。大衆酒場やチェーン居酒屋がひしめく中、スタイリッシュな内外観が際立つ

JR田町駅と慶応大学を結ぶ「慶応仲通商店街」に立地。大衆酒場やチェーン居酒屋がひしめく中、スタイリッシュな内外観が際立つ

 馬肉を看板商品にする飲食店が急増している。それに伴って、趣向を凝らした馬肉メニューを開発して差別化を図ることが欠かせなくなってきた。東京・田町の「馬肉バル 跳ね馬」は、馬肉では珍しいパテドカンパーニュや馬肉の生ハムといった馬肉のつまみメニューを豊富に揃えることで、馬肉をより気軽に楽しめる店づくりに成功して客の支持を獲得している。

 ●馬肉料理のバラエティーが広がる ワインとの相性も申し分なし

 「看板商品は馬肉のグリルと馬刺しですが、気軽につまめる前菜料理にも馬肉料理を加えることで、馬肉バルとしての特徴を打ち出したかった」と店長の山田良さんは、馬肉のシャルキュトリー料理を揃えた理由を語る。

 同品は自家製の馬肉屋のパテドカンパーニュ、馬肉の生ハム、馬肉のサラミ、馬タンスモークをピクルスとともに盛り合わせた。それぞれ単品でも注文可能。この他にも、馬肉ソーセージ、桜肉タルタルステーキ、馬の唐揚げとバラエティー豊かな馬肉のつまみ料理を揃えている。

 「馬肉は加熱しすぎると肉が硬くなってしまううえに、同じ部位ですら場所によって肉質が大きく異なるので調理が難しい」と山田さんは馬肉調理の苦労を語る。例えば馬肉屋のパテドカンパーニュはオーブンでの加熱ではなく、湯煎でじっくりと熱を入れて食べ応えのよさを高めるなど、手間暇をかけて馬肉の味わいを引き出している。

 同店は当初馬肉を看板商品に据えた居酒屋業態だったが集客に苦戦。2012年7月にバル業態に転換したところ業績が徐々に回復。そのうえで馬肉料理以外の商品バリエーションを増やすことで、幅広い客層の支持を得るようになったという。「バルの方が居酒屋よりも入りやすい印象を与えるようですね。またグループ客を獲得するためには、馬肉が苦手なお客さまをフォローできる商品バリエーションが必要でした。馬刺しと馬肉グリル以外の馬肉料理があるので、馬肉初心者のお客さまも試しやすく、幅広い客層を得ることができています」と山田さん。主客層は30~40代の近隣に勤めるサラリーマンで、女性客が3割を占める。

 バル業態の必須アイテムであるワインは、ボトルが1700円からの破格値で提供。このお値打ちぶりが理由で近接する大学の学生たちの利用も多いという。

 今後の展望について山田さんは「最近は馬肉の値上がりが著しいが、できるかぎり安くおいしく提供して、高価格なイメージの馬肉をもっと気軽に味わってもらいたい」とコストパフォーマンス最優先を貫く姿勢だ。

 ●店舗情報

 「馬肉バル 跳ね馬」 経営=タケル/所在地=東京都港区芝5-22-5原田ビル1F、電話03・5444・2755/開業=2012年7月/営業時間=午前11時半~午後2時、5時~翌午前0時、土曜・祝日のみ午後4時~11時、日曜定休/坪数・席数=50坪・76席/客単価=3500円

 ●愛用資材・食材

 「モンテ・イダ・エクストラバージン・オリーブオイル」 輸入元=桜山(東京都中央区日本橋人形町)

 冷製から加熱まで対応、コストパフォーマンス抜群

 バル業態に不可欠な調味料であるオリーブオイル。同店は加熱調理のアヒージョからそのままかけるカルパッチョまで料理全般に同品を愛用する。同品の生産国はトルコ。地中海やエーゲ海に面してオリーブの栽培に適した気候で、世界第6位の生産量を誇る。イタリア産やスペイン産のオリーブオイルの価格高騰が著しい中、「価格と品質の両方で優れている」と注目が高まっている。日常価格でおいしい料理を提供したいバル業態にとってうれしい選択肢だ。

 規格=1L(常温)

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