メニュートレンド:イベリコラーメン イベリコ豚のうま味をラーメンで

2014.10.06 427号 02面
下町「門前仲町」の風情になじむ一軒家バル。イベリコ豚肉や豚骨はグループ会社が直輸入しており、他のラーメン店など業務用に卸すことも可能

下町「門前仲町」の風情になじむ一軒家バル。イベリコ豚肉や豚骨はグループ会社が直輸入しており、他のラーメン店など業務用に卸すことも可能

 「世界でもっともおいしい豚肉は?」と聞かれて大多数の人が答える銘柄といえばスペインのイベリコ豚だ。以前は一部の高級店しか扱えなかったイベリコ豚だが、現在は提供店も増えて認知度も高まった。そのイベリコ豚を使ったラーメンで、高い人気を誇るのが、東京・門前仲町のスペインバル「イベリコバル門仲」だ。

 ●スペインバルでラーメン人気 究極のとろけるチャーシュー

 イベリコバル門仲は、1階はイベリコ豚のプランチャ(鉄板焼き)をメーンとした本場のバル料理、2階はイベリコ豚のしゃぶしゃぶコースを提供する、ユニークな業態スタイルを採用。近隣の住民やビジネスマンを中心に人気の店だ。

 「イベリコ豚を看板食材にした店を作るため、料理長らをスペイン視察に派遣したところ、現地ではイベリコ豚をレアで調理していました。それをヒントに、イベリコ豚の肉質を最大限表現できる調理法として豚しゃぶを選んだのです」と経営のスペインクラブの田代順取締役社長は業態開発の狙いを語る。そのしゃぶしゃぶコースの締めメニューとして開発したラーメンが好評を博し、ランチメニューとして昇格するや、20を超えるメディアに取材されるほどの人気メニューとなった。

 ベースのスープはイベリコ豚の豚骨を柱に、鶏がらなども合わせて取った清湯スープ。合わせる醤油だれはイベリコ豚のチャーシューを作ったたれに各種調味料で味を調えたもの。

 チャーシューは醤油に酒などを加えた甘口たれに、フライパンで表面を香ばしく焼き固めたイベリコ豚のばら肉を入れて2~3時間煮込む。それ以上煮込むと、脂が溶けて身崩れしてしまうというのだから、その軟らかな身質は相当なものだ。チャーシュー50gほどを厚切りし、口の中でとろけてイベリコ豚特有の甘い脂を堪能できる。

 「コンセプトはワインに合うラーメン。スープ、チャーシューともにイベリコ豚の滋味深い味わいを表現することを第一に商品を開発しました」と瀧沢貴正料理長。獣臭や醤油感を極力抑え、イベリコ豚の繊細なうま味を引き出した上品な味わいは、カヴァなどスパークリングワインなどとも相性がよい。

 同店はフランチャイズパッケージのモデル店でもあり、すでに都内2店と韓国ソウル1店のFC店を出店。「グループ会社にイベリコ豚やスペインワインなどスペイン食材の輸入会社を持っているのが強み。ここ数年はイタリア料理店からの業態転換を考えるオーナーさまからの引き合いが増えています」と田代社長は、FC展開にも意欲を見せる。

 ●店舗情報

 「イベリコバル門仲」 経営=スペインクラブ/所在地=東京都江東区門前仲町1-15-5 門前仲町ビル/開業=2007年9月/営業時間=午前11時半~午後3時、5時半~10時(LO)、無休/坪数・席数=60坪・60席/客単価=昼900円、夜6000円

 ●愛用資材・食材

 「オレアウルム」 輸入元=サス(東京都中央区新富)

 高級オリーブとして名高いアルベキーナ種のみを使用したエクストラバージン・オリーブオイル。アルベキーナ種のオリーブは、果実が小さいため、一般のオリーブと比べて搾油2~5倍の果実が必要となる。そのオイルは青リンゴのようなフレッシュな香りが特徴。「色と香りは濃厚なのに、辛味やエグ味はない穏やかな味」と瀧沢料理長。同店ではサラダなどに使用するほか、各テーブルにも置いてパンなどに好きなだけかけて食べられる。産地はスペイン最東北部でフランス国境と隣接するカタルーニャ州。

 規格=250ml、750ml(常温)

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