メニュートレンド:巨大酢豚のステーキ 定番中華が新感覚料理に
多くの人に好まれる定番中華の実力は鉄板だが、ひと工夫加えることで、独自性のあるメニューへと発展させることもできる。「鬼貝」の「黒酢豚ステーキ」はその好例といえそうだ。酢豚の味わいをポークステーキに落とし込んだ斬新な一品で、中華料理らしい濃厚な味わいに黒酢のまろやかな酸味を加え、これまでにない“酢豚ステーキ”に仕上げている。
「鬼貝」を運営するブロケードは、ポークの塊肉=マロリーポークステーキが評判の人気店「マロリーポークステーキ」などを展開している。「鬼貝」は業態のバリエーションをさらに広げたい、と24年に開業。看板メニューの「貝出汁粥」をはじめ、中華料理を独自にアレンジした創作料理の個性が光る店舗だ。
酢豚を大胆にステーキに仕立てた「黒酢豚ステーキ」は、「酢豚の肉だけをステーキにしたら、という発想とマロリーポークを融合させて生まれた一品」と、同社の宮澤竹寛氏。豚肩ロース肉を低温調理でじっくりと加熱し、油でさっと揚げてから黒酢のタレに絡めて仕上げている。約300gものボリュームたっぷりの塊肉ながらも軟らかくジューシーで、ステーキらしい豪快な食べ応えが楽しめる。
ステーキでは珍しい酢豚の調味が新鮮で、黒酢のまろやかな酸味が濃厚な味わいをほどよく引き締め、最後まで飽きずに食べ進められる。同店でしか食べられない独自性とステーキならではの豪快な魅力があり、昼だけでも一日15~20食は注文が入るという。
同店の「牡蠣麻婆豆腐」もユニークだ。豚粗びき肉に刻んだカキを合わせ、隠し味にオイスターソースを使っており、従来の麻婆豆腐よりも深い味わいが魅力になっている。麻婆豆腐は料理として完成されているため、一般に大きなアレンジが加えられることは少ない。同品は、麻婆豆腐にも新たな発想を取り入れる余地があることを示している。
定番の中華料理は長く親しまれているからこそ、ひとひねり加えたアレンジによって新鮮な驚きと魅力が生まれやすい。発想次第で集客につながる名物料理となる可能性を秘めている。
●店舗情報
「鬼貝 エキュートエディション横浜店」
経営=ブロケード/店舗所在地=神奈川県横浜市西区高島2-16-1 JR横浜駅構内/開業=2024年5月/席数=38席/営業時間=11時~23時。無休/平均客単価=1500~1700円/1日平均集客数=150~180人
●愛用食材・機器
「業務用黒酢」 Mizkan(愛知県半田市)
色味よく食べやすい味わい
国産玄米だけを使用し、うまみ成分を豊富に含んだ芳醇で個性豊かな味わいの黒酢。適度な風味とコクがあり、同店では「黒酢豚ステーキ」やネギチャーシューなどに使用している。「ほど良い酸味と甘みがあるので食べやすい味わいに仕上がる。色味もよく照りのよい見た目に仕上がるのも評価している」と、宮澤氏は語る。
規格=1L(常温)















