各地の名物焼肉店・繁盛店:しちりん家

1999.08.02 184号 17面

金沢の繁華街に高級和牛焼き肉店を創業したのが一二年前。平成6年からターゲットを二〇代~三〇代前半のファミリーやカップルにかえて郊外へ出店を開始した。七輪による炭火焼きで差別化を図り、北陸らしさを表現して和風のウッディーな店づくりとした。

「肉を包むようにして立ち上る煙は調味料の一つ」(前田建治店長)の考えに加えて七輪炭火焼きの目で見る楽しさも強調する。煙の処理が気になるが、メーカーと共同開発したフード付きの排煙ダクトが活躍している。

「無煙に比べると掃除が楽だし、メンテナンスもある程度省ける。ランニングコストもかからない」とのこと。しかし七輪炭火焼きは手間がかかるし火を使うだけに心配な面もあるのでは、と聞くと「確かにそれもある。ただ飲食業は対人間の仕事。効率ばかりを追求するのではなく人間にしかできない繊細さも必要」と言う。

しかしもちろん、効率をあげる努力もする。厨房を最低ぎりぎりの二坪にし、従業員が能力を発揮できる配置や動線の合理化を図る。

客単価は「決して安くはない」(前田店長)二八〇〇円。

「安いからあそこへ行こうではなく、高いからこそ大きな満足感も得られるだろうしわれわれもいい緊張感を持てる」

店舗、サービス、商品について絶対勝てる武器が随所になくてはならない、が持論。

「ネギタン塩」(六八〇円)、「盛岡冷麺」(六八〇円)が人気メニューで、目下夏以降に出す塩だれを開発中だ。

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