全国焼き肉繁盛店特集:金沢「以波太」

2000.09.18 212号 5面

今年の夏は焼き肉店はどこも例年にない繁盛ぶりと聞く。中でも金沢市神宮寺の焼き肉ファミリーレストラン「以波太」では常連客に絶大な支持のある秘伝の焼き肉たれと、ワインやカクテルまでそろえたドリンク類の豊富さで、スタミナ補給をしながら一夜の涼を求める人々で連日賑わっている。

「(1)食材は自分が食べてみてうまいと思ったものだけを使う(2)その日仕入れた食材は必ずその日のうちに使い切る(3)女性に喜ばれる店づくり。この三つを心がけているほかは、とくにこれといって自慢するものはないんですけどね」と、五年前に脱サラして父親の経営する以波太の厨房を取り仕切る山下聡志店長。だがその三箇条こそが以波太の人気を不動のものにしている大きなポイントのようだ。

またワインと一六種類そろえたカクテルも、女性客をターゲットにしたもの。当初、焼き肉とカクテルはミスマッチとの声もあったが、今では山下店長も意外なほどに売上げを伸ばしているという。

以波太のもう一つの切り札は、自家製の秘伝のたれと漬け物。

たれはもみだれとつけだれがあり、どちらも醤油、みりんなどの調味料と香辛料合わせて一二種類をブレンド。はかりや計量カップは一切使わず、まったく勘による目分量だけで調合するそうだが、開店以来変わらぬ独自の味を保っているところが秘伝たるゆえんか。

○店舗メモ

◆焼き肉ファミリーレストラン「以波太」(金沢市神宮寺一‐一三、山下ビル1F、0276・251・4848)店長=山下聡志/営業時間=平日午後4時~11時、日曜・祝日正午~午後10時、月曜定休/席数=八〇席/客単価=約三〇〇〇円/平均客数=一ヵ月約一二〇〇人

○売れ筋メニューベスト3

〈一位〉タン塩(七五〇円)

〈二位〉シロ(四〇〇円)

〈三位〉カルビ(七〇〇円)

○私の愛用食材:酵素塩

時間ができるとマーケットの調味料売り場を見て歩くのが趣味という山下店長。偶然みつけた「酵素塩」は、今では以波太に欠かせない調味料になっている。

酵素塩は東京に本社のある波動法製造(株)が常温製法を用いて製塩を行っている天然天日乾燥塩。

製法は輸入した半乾燥の天日塩を洗浄後、常温に近い四五度C以下で天日乾燥。でき上がった塩の結晶をさらに細かく粉砕し、さらさらの粉状にしている。まろやかな口あたり。タン塩や塩カルビなど塩がものをいう焼き肉では、とくにその持ち味が生かされる。

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