まかない味シュラン(39)レストラン・ランス

2000.10.02 213号 18面

ランスのまかない食は、日本の家庭料理を中心にしたメニューだ。「日本のフランス料理店で並んでいるメニューも、本来はフランス各地の家庭料理の集大成。だから、日本人として、家庭料理の基本的な味は大切にしたい」と柳舘功料理長。

まかない食は、高橋コーディネーターが、あらかじめ二週間分のメニューを決め、それを中堅の二人が作る。メニューにジャンルはないが、週に一回は、ポトフ、ブルギニオン、プーレロティーなど、クラシックなフランス料理が取り入れられる。おいしくて安いはもちろんのこと、基本料理の習得も目的の一つなので、半端な食材での創作メニューはない。

時間は厳守。午前11時と午後5時の二回、五分くらいなら早まっても良いが、遅れるのだけは一分たりとも許されない。「出来上がりまでの時間を逆算できないなら、厨房は絶対任せられない」と料理長。だから、徹底して時間配分を学ばせる。

前もってメニューが決まっているので、分からない料理は、事前に調べる。「やっつけ仕事でまかない食を作るな」と料理長は注意する。スタッフみんなに、おいしいものを食べさせたいという気持ち、それさえあれば、技術は自ずと身に付いてくる。

◆「レストラン・ランス」=東京都港区北青山三‐一〇‐一三、03・34073538

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