御意見番・話題の外食合弁企業始動:谷口正俊・かいエンタープライズ代表取締役
三社が設立した合弁会社「JRM」は、その目的を「社会貢献、業界貢献」とうたっている通り、清掃やメンテナンス事業に光を当てたことに大きな社会的意義があると思う。
これまでこうしたメンテナンスについては、外食企業が子会社をつくり、専門部門を独立させる動きはあった。しかしどうしても本社よりレベルが下というイメージがあり、事実そうした人事の扱いもあっただろう。そのため従業員は仕事にプライドが持てず、やる気がないから能率も上がらず、コスト高になるという側面があった。また清掃事業は、希望者が少ない仕事なので、給料を高めに設定しなければ人も集めにくかった。
外食事業も、かつては社会的地位が低く水商売といわれた時期があったが、イメージアップの努力をした結果、雇用も拡大し、成長産業となった。
今回の共業化の取り組みは、これまで影の部分であった清掃などの事業に光を当てて、従業員がプライドを持って仕事ができるきっかけとなるだろう。やる気があれば効率もアップし、結果的にコスト削減にもつながる。
「自分たちがこんな良いことをやっている」というマインドを上げるのが企業の務めだ。だれかがそうしたベクトルを示さなければ業界も変わらないだろう。最初に取り組んだことでその企業に利益が出るのは当然の権利ともいえるが、ぜひ三社だけの共業とせず、他の会社も巻き込んで、コストダウンにつなげていってほしい。
一方OGMについては、出店に不利な中小店の信用保証をするというアイデアはとても良い。OGMの強さは榊社長の求心力だが、こうした共同出資会社で会員や関連企業と横断的な組織をつくることは、グループ力の強化につながるだろう。また、グループの出店を支援すると同時に、共同会社を介すことで、出店の交通整理を図ろうという意図もあるだろう。
今後、会員がチェーンの拡大を進めれば、出店立地を巡って会員同士でバッティングすることも多くなる。OGMにとって仲介会社の存在は、そうした会員間のトラブルや不満を回避するクッションになるはずだ。
◆谷口正俊(たにぐち・まさとし)昭和31年兵庫県生まれ。立命館大学経済学部卒業後、和風FF「一口茶屋」の(株)チェポ入社。チェーン化創業メンバーの営業統括として全国に三〇〇店舗を築く。四〇歳を機に独立、(株)かいエンタープライズを設立し、自ら和風レストランなど三店舗を経営するかたわら、飲食コンサルタントとして活躍。理論より実践、システムよりマインドがモットー。













