「恋愛も料理も一緒。自分の意志をしっかり持たなくちゃ」と語るのは、ル・ヴァル・ド・ヴェールの木村裕二料理長。

「女の子も口説けないようじゃ駄目だよ。自信を持たなくちゃ」

料理のテクニックを知りたいのに、なぜか恋愛談議。けれど本論はここから。

「自信を持って味付けをすることが大切。それでも、うまくいかないことはある。壁にあたって、自信をめちゃくちゃにされて、人は成長するんじゃないかな」

具体的にあげれば、料理のテクニックなんて、メニューごとにたくさんある。

「どれが得意かなんて、言えないよ。僕たち仕事なんだから、何だって得意さ。でも、一番大切なのは、意志を持って行動すること」

木村シェフは、料理を始めてから三年間で、知らない料理をなくそうと、がむしゃらに勉強した。

そんな経験からか、若手の料理人たちにも、本を読むのでも、先輩に聞くのでもいいから、知らない料理はなくすように、教えているという。

しかし、技術を身につけるには、経験を重ねることが大切。そして、本当の意味で、自分の血肉にしていくのは、意志の力でしかない。

「負けません。勝つまでは」が木村シェフのポリシー。すべてはここから始まる。