めざすは一流MISS料理人:「ピッツェリア・グラノ・サルーテ」川島さおりさん
大学の法学部出身、元水泳スクールのコーチ、現四歳のお嬢さんのママ、そしてピッツェリア グラノ・サルーテのキッチンスタッフ。
いくつもの顔をもつ川島さんは「いま、調理の仕事が面白くて仕方がない」と顔をほころばせる。
昨年8月に開店したこの店のスタッフ第一期生のひとり。ドゥを伸ばして窯で焼くピザ場を半年経験し、先ごろパスタデビューを飾ったばかり。
「最初は窯から煙を出して店が真っ黒になる失敗もしました」。しかし料理長らの本格的な指導のもと、ぐんぐん力をつけている。
「学生時代にファミレスのキッチンでバイトしていたこともあり、もともと調理には関心があったんです。店の募集を知り、すぐに応募しました」という川島さんは「同じ料理でもいつも違う面白さ、発見がある」とこの世界の魅力を語る。
店は二階まで吹きぬけの広々とした設計で、入ってすぐにしゃれた回り階段がある。その脇から見えるキッチンからスタッフの明るい熱気が伝わってくる。
「失敗しないように、壊さないように」と念じながら仕事にあたる川島さん。「新しいものをどんどん吸収したい」意欲も十分で、将来は「夫にも言ってない遠い遠い夢ですが、イタリアンのお店を持てたらいいですね」と語ってくれた。
◆プロフィル
かわしま・さおり=1974年東京都生まれ。サラリーマンの夫とは学生結婚。4歳の娘と大和市に暮らす。午前10時から午後3時までのパート勤務を終えるとまっすぐに保育園へ。娘さんのあこがれの職業は「マックの店員さん」だそうだ。
◆シェフからひとこと 大屋佳久さん
体力的に男性に負けても、女性にはそれをカバーする根気強さがありますね。男だと「もういいや」となるけれど、女性はひとつのものを反復して行い、完成させる力がある。繊細さもこの仕事には欠かせない。川島さんが実際にやってくれているように、うちは今後の店舗展開でも女性の力を活用していきたいと考えています。
◆シェフのいちおし食材
アンチョビが好きです。味にメリハリがあるので、メーンで使っても、かくし味にしても、ピタッと決まる点がいい。いろいろなメーカーのものを使いますが、とくにここのアンチョビは、臭みがなく、身も壊れていないところが気に入ってます。その分、半身あたりの単価も四〇~五〇円と値段も高級ですが。
▽製品問い合わせ=(株)洸洋(東京都中央区、03・3249・3881)
◆ピッツェリア グラノ・サルーテ=神奈川県大和市上草柳三‐九‐七、046・260・1188