パンメニューお店紹介:「神戸屋キッチン渋谷店」基本守り本物提供
「パンは、生きもの。手をかけ心を込めて作れば、気持ちが伝わる」とは、店長の山崎利伸さん。また、「オーソドックスな手法が一番。温度、時間、計量の基本を守れば、良いパンができます」とも言う。
フレッシュ、本物の提供をコンセプトに添加物はほとんど使わない。リーンなパンは、指定の小麦粉、天塩、イースト、浄水器使用の水を使い、小麦粉の味わいを出したシンプルパン。その日の温度、湿度で管理された素材をミキシングし練り上げ、ここで味が決まるという発酵を三時間。分割の後、一五~二〇分寝かし、形成。再び一時間の発酵で焼成に入る。フランスパンは、六時間も掛かり、フランス田舎パンは、二四時間発酵させる限定商品だ。
一方、リッチなパンは、バターや卵、牛乳を使ったクロワッサン、バターロールなどがある。
フランスパン二時間、食パン、菓子パンでは、三時間後から老化が始まるという。「即日食べるのが理想。夕食に食べて欲しい」と、ヨーロッパスタイルの甘くなく連食できるパン五品、サンドイッチ五品、ケーキ二品でスタートしたのが一昨年の11月。
パンの物販とFFの混合店、自家製パンのできたてを、その場でドリンクと共に食べられる七二席のイートインスタイルだ。
八割は女性客。集客一日一八〇〇人~一九〇〇人。うち六割がイートイン。客単価七〇〇円で、月商三六〇〇~四〇〇〇万円。「物販とイートインの相乗効果をあげたい」という。
オープン以来、柱となるパンに変わりなく、一番人気は、ブリオッシュ生地を食型に入れ焼き上げた「神戸屋スペシャル(リッチパン)」と水を一滴も使わずミルク一〇〇%で直焼きした「ソフトハースブレッド」があげられる。
これらは、前日の売上げ、気候、出具合を見て、一五分に一回の生地仕込みで、三回~四回の焼成。
このほか、健康志向からライ麦とイチジクの「ドゥルニュ」、小麦のふすま入り「バイツェンブロード」などがハード系にある。ソフト系も、夕食市場開拓からデンマーク焼き菓子のデニッシュペストリー、定番の菓子パンではないパイ風菓子パンが主流を占める。
ケーキ類は、一五~一七品置き、季節ごとに替え、夏場は、デザートゼリーが中心。また、7~9月末まで「フルーツブレッドフェア」(アップルローフ、ブルーベリーローフ、クルミレーズン、ドゥルニュ、オレンジツイスト、レッドチェリーパイ、シナモンレーズンバンズ)を開催し、売上げにつなげている。
「本来の商売は、モノをつくるこだわりと、人を介するサービスを基本」とし、物販は、一対一の対面販売を守っている。
◆「神戸屋キッチン渋谷店」=東京都渋谷区道玄坂、03・5458・7751