データで見る外食マーケットの素顔 いまどの業種が伸びているか

1994.01.17 44号 2面

飲食店、レストラン、社員食堂などが含まれる給食主体部門の市場規模は二一兆三三六六億円(対前年比三・八%増)で全体の七五・一%を占めた。

給食主体部門のなかでは、飲食店など営業給食の市場規模は一七兆三五二九億円であり、社員食堂など集団給食は三兆九八三七億円であったが、集団給食の伸び率(同四・八%増)は消費者の低価格志向を反映して前年とは逆に営業給食の伸び率(同三・六%増)を上回っている。

飲食店の市場規模は前年より四・一%増加して一二兆一七億円となったが、食堂・レストラン(対前年四・四%増)、そば・うどん(同五・〇%増)、すし店(同二・二%増)の伸び率はいずれも前年を下回った。

また、平成3年に大きく伸びた宿泊施設の市場規模は、ホテル、旅館のいずれも利用客が減少したため平成4年の市場規模は前年の二・四%増にとどまった。

集団給食の市場規模は三兆九八三七億円で前年より四・八%増加したが、事業所給食、なかでも社員食堂などの対面給食の伸びは五・九%増と比較的大きかった。しかし学校給食は給食対象の生徒、児童数の減少から微減した。

料飲主体部門の市場規模は七兆六一九億円で前年に比べて二・〇%の伸びにとどまった。

これは喫茶店の市場規模が前年より減少したほか、平成3年には九・一%も増加した法人交際費の伸びが平成4年には三・一%程度になるものと見込まれるところから。料亭、酒場、ビアホール、バー・キャバレー・ナイトクラブの平成4年の市場規模は前年の二・八%増にとどまるなど景気後退の影響が大きかった。

料理品小売業の平成4年の市場規模は三兆四一〇三億円で前年より四・四%増加したが事業所給食に計上されている弁当給食の市場規模六八二八億円を除いた料理品小売業の市場規模は二兆七二七五億円であった。

外食産業市場規模に料理品小売業(弁当給食分を除く)の市場規模を加えた「広義の外食産業市場規模」は三一兆一二六〇億円で前年より三・四%増加した。

図‐1は、外食市場のなかをいくつかに区分している。

右から順に見ていくと、まず「飲食店」というくくりがある。

「飲食店」とは、町場の大衆食堂や郊外のファミリーレストランなどで、いわば外食産業の本部隊である。

ここのくくりでの市場規模は一二兆円である。二八兆円のうち約四割強を占める。

「特殊タイプ飲食」と「宿泊施設」と合わせると六兆円、二八兆円のうち二割強を占める。

「特殊タイプの飲食」とは、列車食堂と国内線の機内食のこと、「宿泊施設」とは、ホテル、旅館のことである。

次に「集団給食」というくくりである。単に給食という場合もあるが、給食産業という言葉もよく使われている。

しかし最近では、この給食ないし給食産業という言葉に換えて、フードケータリングという言葉を使うケースも業界では多くなっている。

このくくりでは三兆九〇〇〇億円という規模。二八兆円の約一割五分である。図中で「事業所給食」の「対面給食」とは、社員食堂のことである。

「料飲主体」というくくりは、約七兆円で二八兆円の二割五分ほどである。「料飲主体」の内訳は「喫茶店・酒場等」と「料亭・バー等」に区分されている。

「喫茶店」という業種は、昨今、凋落が著しいが、多くの店では、消費者の喫茶ニーズを引き受けるウエートよりも食事ニーズを引き受けるウエートが高くなっている。

「酒場・ビアホール」も、この一〇年来同様の傾向があり飲酒ニーズより食事ニーズ、喫茶ニーズを強く引き受けている。

図の左に別掲で「料理品小売業」とある。これは、喫茶店、駅弁売店、サンドイッチやハンバーガーなど調理パンの小売店、おにぎりやすしの持ち帰り店などである。コンビニエンス・ストア(CVS)も多くは「料理品小売業」である。市場規模は三兆四〇〇〇億円。

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