ホロ酔いガイド ドイツワイン 産地の分類
ドイツはブドウ栽培の北限にあるので、フランスやイタリー等と比べ、味はこくより軽快に傾き、また白ブドウの方が栽培し易いので、赤ワインより白ワインの方が多く生産される。産地はライン川の本流とその支流沿いにあり、一一の地域に分かれる。主な産地とその特性は次の通り。
(1)ラインヘッセン
ドイツ第二のワイン生産地。この地域に有名なマインツやビンゲン等の都市がある。大衆ワインの決定版リープフラウミルヒの発祥の地。ここのワインはマイルドでソフトな口当たり、きめ細かで微妙な香り、こくは中位。
(2)ラインファルツ
ラインヘッセンの南にあり、ドイツ最大のワイン生産地。白ワインと共に赤ワインの生産地としても有名。ここのワインは芳香豊か、マイルドで丸味があり、こくも適度にあるので全体に表情豊か。
(3)バーデン
ライン川上流ドイツ最南端のワイン生産地で三番目の生産量。しかしこの地域の土質は多様なため、ワインは最も多様性がある。この地域のワインは新鮮で芳香性があり、白ワインにはブドウ本来の香りが強い。赤ワインは口当たりの良いものから力強くこくのあるものまでいろいろ。
(4)モーゼル・ザール・ルーヴァ
ライン川の支流モーゼル川の流域。粘板岩質の土壌が大部分なので、ここのワインはぴりっとした独特の味香がある。また繊細な果実味から土臭いものまでいろいろある。しかし中心は豊かな芳香・上品な果実味・デリケートな味。独特の味香である。時々少し発泡性のあるものがある。
(5)ヴェルテムベルグ
ライン川の東南側の支流ネッカー川の流域。中心都市はシュトゥットガルト。ドイツ最大の赤ワイン産地。大衆用から高級品までいろいろ。ここのワインは強い果実味、飲みごたえのあるこく、力強く独特の土の味が後に残る。
(6)フランケン
ライン川中流、東から流れて合流するマイン川沿いの地域。近くにフランクフルトがある。フランケンワインはボックスボイテルという緑色の袋状丸ビンに詰められている。味はこくが強く、辛口で引き締まった味、香りは弱い。
(7)ナーエ
西のラインヘッセンと東のモーゼルにはさまれた地域でラインの支流ナーエ川の流域。ここのワインは北部はローム層と砂岩が多いので、味はマイルドで独特の風味。南部は粘板岩質の土壌なので、豊かな芳香、果実味。モーゼルより刺激性は少な目。
(8)ラインガウ
ライン川中流。本流が東か西へ向かう流れに沿った北側の地域、南斜面である。従ってドイツ第一の高級ワインの産地。あらゆる上級ワイン(QbAワイン)が作られるここのワインの特徴は、洗練された芳香、独特な強い酸味、気品溢れる最高級品。
(9)ミッテルライン・アール
ライン川ブドウ産地の北辺、ボンの南から百㌔近くライン川を南へさかのぼる両岸と小さな支流アール川の流域。リースリングとミュラー・トゥルガウ、ケルナーの各品種がよく育ち、アールでシュペートブルグンダー等の赤ブドウも育つ。ここのワインは新鮮で強い酸味と力強さも。アールの赤ブドウ酒は軽快で独特の果実味がある。
(10)ヘシッシェ・ベルグシュトラーゼ
ライン川東岸、ハイデルブルグの北にあり、最も小さい生産地。殆ど地元消費なので詳細は省略。リースリングとミュラー・トゥルガウを主に栽培。ラインガウ産よりこくがあるが、品が落ちる。