最新エスニック食材講座(2) 「カフェライムリーフ」熱帯の香り、室内香としても
東南アジアではバイ、マックルー、日本名はコブミカンの葉。
熱帯性のミカン科で、実はカボスに似た形をしています。ただし表皮は名前のとおりコブのようにデコボコしています。
果汁はライムのような酸味と青臭みを持ち合わせていますが、その特性を生かしてヘアトニックの主成分とした製品もあります。爽やかさと特有の香りが化粧品として熱帯の国の人々に愛されています。タイで購入したそのヘアトニックを使用していますが、使用後は大変爽快でスッキリ感が何とも言えません。
葉の部分は東南アジア、特にタイ料理には欠かすことのできないハーブで、マーケットでは束ねたり、パックに入れて売られています。
葉状は、面白い形をしており、ヒョウタン型で、とても愛敬があります。
実と同じように特有の青臭みとシトラール系の爽やかさがあり、トム・ヤム・クンや、レットカレー、イエローカレー、グリーンカレーやスープ類の香りと味のベースとして煮込む時、最初から加えます。トートマンクンのように練物の中に使用する場合にはごく細かく切って、材料に加える方法で使用します。
レモングラスのようにティーにしたり、単独行動で使用することはあまり好まれておりません。三、四種のハーブやスパイスと同時に使うことの多いハーブです。
タイから持ち帰ったカフェライムの実の種から育てた木は、二年目で五〇㎝ほどになりますが、葉は青々と凛々しく元気に育っています。
ドライは市販品で簡単に入手できます。月桂樹と同じように二つ折りにして最初から料理に加えて使ってください。熱帯の香りが快く、食欲をそそられます。またポプリの材料として花びらや、他のスパイスと組み合わせて室内香としての利用法もあります。
スパイス料理研究家
朝岡 和子