これはイケル? 注ぐと凍る不思議な酒「細雪」(大関)
テレビでも紹介され話題となった“注ぐと凍る不思議な酒”が、大関㈱(東京都中央区、03・3668・8351 マーケティング室)から発売された。その名も「注ぐと凍る不思議なお酒」というタイトルで、同社の上撰本醸造酒「細雪(ささめゆき)」一八〇㍉㍑紙パックがそれである。
同社は、以前から“凍結酒”の販売に熱心だったが、今回のタイプのものは、お客の目前で普通の清酒が凍結酒に変わるという意外性があり、話題性抜群の商品といえる。
なぜ、注ぐと凍るのか? という原理は別掲のとおりだが、専用冷凍庫が必要なため基本的に業務店専用の商品展開となる予定である。
また、製法特許申請中とのことで、他社から類似商品が出る可能性も低く、他店との差別化を図る料飲店には少なからず話題を提供することになりそうだ。
▽本醸造「細雪」▽アルコール分一三・八%、日本酒度十三▽一八〇㍉㍑、はこ詰(荷姿24入り、4×6)▽希望小売価格三五〇円。
純粋な水の凝固点は0℃だが、条件によっては氷点下でも凍らないことが昔から知られており、この現象を「過冷却現象」という。酒の場合はアルコール・エキス分を含んでいるため、凝固点は0℃以下になる。
一般的清酒(アルコール分、一五%)をある条件下で冷却すると、図のような冷却曲線を描きながら凍り、A点のマイナス8℃の凝固点を超えてB点のマイナス17℃ぐらいまで液体を保つ。このA点からB点までの間が「過冷却状態」である。
過冷却状態のとくにB点に近い状態の清酒を専用グラスに注ぐと、外部からの刺激で凍結が始まり、シャーベット状(みぞれ状)の酒になる。
※このことから、商品の過冷却状態を安定的につくることができる冷凍庫が必要となる。家庭用、業務用の冷凍庫は、マイナス20℃以下の設定が普通であるため、過冷却の状態を維持できない。