地域ルポ 西新宿・小滝橋通り(東京・新宿) 学生街をバックに独自の飲食街(1)
JR新宿駅西口、小田急百貨店前から青梅街道方向へ、ゆるやかな坂道を下れば、大ガードの交差点に出る。
東西を貫くのが青梅街道で、交差点を起点に北へ伸びるのが小滝橋通り。
この通りは、高田馬場方面へ抜ける片道二車線の狭い通りであり、車の通行量が多いために、とくに朝夕のラッシュ時は渋滞が激しい。
大ガード交差点から北新宿百人町の交差点まで約四〇〇m。地番でいえば、新宿区西新宿七丁目。道の両側はバブル時代にビル化が進んで、現在では一〇階建てクラスのオフィスビルやマンションが林立する。
この界隈は語学、ビジネス、調理師専門学校、予備校など多くの教育施設が点在する“学生街”でもあるのだが、こういった若者の来街を狙ってハンバーガー、サンドイッチ、天丼、牛丼、立食いそばなど和洋のファストフードショップのほか、ラーメン、喫茶店、また、裏通りに入れば、感性ゆたかな大皿料理や串焼きの店なども出店しており、独自の飲食街を形成している。
大ガード交差点から小滝橋通りに入る。百人町方向に歩く。一〇〇mほど行くと右手ビル一階にモスバーガーが出店している。
この店はFC店で平成6年3月のオープン。店舗面積七〇坪、客席数八〇席の大型店。キャパシティーがあるので、日中は客の切れ目がないという印象だ。
客層は学生ばかりではなく、若いサラリーマンやOLの利用も多い。人気メニューはテリヤキバーガー二九〇円、モスバーガー二八〇円、チリドッグ二九〇円、ホットチキンバーガー三〇〇円など。
客単価五〇〇~六〇〇円前後。日商五〇万~六〇万円。表通りのビッグチェーンであるので、集客力は大きく、平日、土・日の客数の変化はない。営業時間は朝6時から翌朝2時まで。
モスから約二〇m離れて、小さな交差点の角地にマクドナルドが出店している。今年5月1日オープン。
店舗面積二五坪、客席数二八席、マックにしては小振りの店舗規模だが、モスに劣らず若い男女で賑わっている。営業時間は月~土午前7時~午後10時、日・祭午前8時~午後10時。
さらに前進すると三差路の交差点にぶつかる。角地のビル一階に「笠置そば」(12面に関連記事)。
今年2月オープン。それまで薬局だったが、営業不振で転業した。FCでの開業で、一七店目のフランチャイズ店だ。
店舗面積一三坪、客席数二五席。一見すると立食スタイルのファストフード系の店に見えるが、内装は木造り感覚で落ち着いた雰囲気がある。
メニューはそば・うどん二二〇~六八〇円、ご飯物二八〇~六八〇円、セットメニュー(各種ミニ丼+そば・うどん)四八〇円、定食五八〇~六八〇円、弁当三二〇~四八〇円などを提供しており、メニューのバリエーションは街中の“食堂”といった趣だ。
客層はサラリーマンやOL、学生など。イートインで昼は三回転と順調だが、その後夕食時までの客入りはまばらになる。
客単価四一〇円、日商一四万円前後。一応の目標数値は達成しているが、今後はランチ時の弁当販売に力を入れて、さらに売上げアップを図る考えだ(石崎雄司店長)。
今年5月1日開店したばかりの「マクドナルド新宿小滝橋通り店」。ここから大ガード寄り12~13mのところにモスバーガーが先行出店している