ピザ・パスタ 地域一番店 「レストラン・アルファビア」(兵庫・洲本市)

1997.09.30 136号 14面

淡路島・洲本港から心地よい潮風に吹かれながら歩くこと五分、レンガ倉庫が点在する一角に「レストラン・アルファビア」はある。 緑の芝生を前に大きく開かれた窓、吹き抜けの高い天井、遠くには古いレンガ倉庫が見える店内は、時を忘れて食を楽しむ観光客と地元客が混然一体となって賑わっている。

この店は、地元洲本市の町おこしの一環として、一〇〇年の歴史のある旧鐘紡洲本工場跡地に残るレンガ倉庫を活用しようと生まれたもの。画廊商(株)プロバとの共同で絵画などを展示する美術館と、食の場をドッキングさせた「ミュージアムパーク・アルファビア」を設立させた。神戸地震のため一年遅れの一九九五年11月のこと。

敷地面積は約二五〇〇坪。歴史の重みを感じさせるレンガ倉庫のミュージアムには、アメリカの古き良き時代を代表するイラストレーター、ノーマン・ロックウエルの作品やスペインの天才画家リヤドなどの作品が展示されている。そしてこの建物に寄り添うように総ガラス張りの「レストラン・アルファビア」が建っている。

「付帯施設として入口横に設置したのが逆にアピールしているようです」(山田久美子広報担当)というピッツェリアは、さらに遅れて昨年のオープンだ。

入口を通る客の目をひくピザ窯は、まきでたくもの。「最初の一年は、いびつな形で膨らみも十分ではなく、失敗の連続だった」というピッツァも、今ではまき独特の香りを吸い、焼き色を付けて一枚ずつ窯から出されていく。

こうした本格的ピザの出現は、地元住民にとっても興味の的。「何やら新しいピザが食べられるよ」と口コミで広がり、平日は会社員、土・日はファミリー客が訪れるようになった。

また、今や島を訪れる観光客にとっても、ミュージアムパーク内の「レストラン・アルファビア」は、楽しい食事の場として必須コースとなっている。

オープン当初は、「地中海料理という漠然としたものをメニュー化していた」が、今年から一新し、井壷幸徳新シェフを迎えイタリアンを打ち出す。

海に面したこの地ならではの海産物、淡路牛、地元農家と契約栽培している野菜などを積極的に使い「四国への通過客の橋げた的存在ではなく、ミュージアムパーク内の魅力あるレストランとして気軽に立ち寄って欲しい」と井壷シェフ。

前菜食べ放題、ピッツァ、パスタを組み込ませた「イタリアンフェア」(一〇〇〇円)や「パーティプラン」(一八〇〇円~)など大皿をみんなで取り分けるカジュアルなイタリアンメニューをどんどん展開したり、ミュージアム・ウエディングとも連動させるなど地元にしっかり根を張りながら、幅広く全国からの観光客をも取り込んでいる。

(1)レストラン・アルファビア(2)鈴木洋樹(3)平成7年11月(4)兵庫県洲本市塩屋一-一-八(5)0799・26・1010(6)午前11時30分~午後10時、火曜日定休(7)約二五〇坪・一四〇席(8)昼一五〇〇円・夜三〇〇〇円(9)約一五〇〇万円(10)約三〇〇人(平日)~五〇〇人(土日祝)⑪玉ネギ、生ハム、有機野菜⑫生モッツァレラ、ゴルゴンゾーラ、タレッジョ、フォンティーナ⑬リスドール⑭カステル・デル・モンテ⑮ピザ一七〇g(昼・夜)、パスタ八〇g(昼)、一二〇g(夜)⑯パラッツォーネ・白/バルドリーノ・赤⑰高温のまき窯で焼くピザ、本場イタリア帰りのシェフが作るパスタ⑱食材を生かすため最適最小の調理法をとる⑲トラットリアからリストランテへの移行

<一位>ベルドゥーラ(一二〇〇円)=契約農家からの有機野菜ミックス

<二位>海の幸(一五〇〇円)=イカ、エビ、アサリ、ムールガイ、タコ

<三位>マルガリータ(一二〇〇円)=トマトソース、生モッツァレラ、バジリコ

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら