外食コンサルタントに聞く’98外食・飲食業の動向 山田清司氏
(1)-(1)今後のチェーンストア、明暗を分けるポイントは?
(1)-(2)その理由は?
(2)-(1)今後の単独生業店、明暗を分けるポイントは?
(2)-(2)その理由は?
(3)-(1)今後の有望コンセプトは何か?
(3)-(2)その理由は?
今日、単独生業店の経営環境は大変厳しい。飲食店は、ほとんどの業種・業態で規模が小さいほど赤字店の割合が多い。小売店の世界でも、従業員四人以下の店舗の廃業率は、それ以上の規模の店舗と比べて著しく高い。
したがって、今後の単独生業店の明暗は、ある程度以上の売上げ規模にできるか否かにある。そのポイントは、メニューである。
一般的に、赤字の単独生業店ほどメニュー数が多いが、これは間違いだ。むしろメニュー数は徹底的に絞り込み、絶対の自信メニュー以外は提供してはならない。
食材にこだわり、手間ひまをかけ、フードコストをかけ、店主自身が納得のいくメニュー開発をしてほしい。現在、業種にもよるが繁盛店の多くは四〇~五〇%以上のフードコストをかけている。
反対に、業績の悪い店ほどチープな商品を提供している。食材の品質を落とし、ポーションを落とし、売上げもますます落としている。それは、コストコントロールの技術がないからだ。
お客様にとっての価値は、メニューの多さではない。世間には、家庭の主婦ならだれにでもできる卵焼きだけで商売をしている店がある。
パーソナルサービスの基本は、お客様のお名前を覚えることだ。チェーン店の店長に、お客様のお名前を覚えるように提案すると、必ず「年間十数万人も来店するお客様のお名前など覚えきれない」と言う。だが、実際は数千人の固定客のリピートによって店の売上げの大部分がもたらされていることを、店長たちは知らない。
もし、毎週一組の固定客が店長を含めたスタッフの無関心によって失われると、年間四〇〇万円以上の売上げ減になる。
チェーン店でもここ数年、既存店ベースで前年の売上げを割っている。一昨年のO157や昨年の消費税率のアップ、特別減税の廃止、医療費負担の増大や長期化する景気の低迷だけが、その原因ではない。
一流ホテルのドアマンは、数千人のお客様のお名前、肩書きはもちろん、お車のナンバーまで覚えているという。
飲食店の店舗では、ホテルのドアマンに比べて、何倍もの時間お客様と接触しているのだから、お顔とお名前ぐらいは覚えられるはずである。
競合店が増え、商圏がますます小さくなり、来店頻度を増やすためには、パーソナルサービスは欠かせない。
核家族化、女性の社会進出、生活様式の多様化や高齢化に加え、長引く景気の低迷で、中食市場は確実に拡大し、既に六兆円を超えている。
昨年11月に発表された国民生活白書は、女性が結婚・出産のためにいったん退職して子育てが一段落する五年後に再就職すると、そのまま働き続けた場合に比べ、生涯賃金で六三〇〇万円も差が付くと発表した。高学歴の女性はますます、初婚年齢が上がり、子供を持たないDINKSが増え、中食マーケットの拡大に拍車をかけるだろう。
消費マインドが冷え込む中、CVSは軒並み増収増益となった。主な要因は、弁当や惣菜の売上げが順調に伸びたためだ。また、依然として業績が低迷している百貨店だが、こだわりの弁当や惣菜には行列ができている。
HMR(家庭内食事の代行業)は、小売業にとっても有望なマーケットである。大手の小売業ではすでに、有名シェフのスカウトを始めた。HMRの現状は、小売業が外食をリードしている。
手作りのノウハウのある中小の飲食企業に、チャレンジしてほしい。
山田清司氏((株)エフ・ビー・ディー代表取締役)昭和25年、神奈川県出身。デニーズを皮切りに、各種FR、FFのノウハウを吸収。その後、ビジネススクール講師、コンサルタント事務所を経て、平成3年、現事務所を設け独立。幅広いノウハウと実践的指導で活躍している。













