HACCP飲食店衛生のAからZまで(1)はじめに
飲食店の経営者、幹部および従業員は、「HACCP」という言葉の意味をどのくらい知っているだろうか。「HACCP」は堺の病原大腸菌O157以来マスコミを賑わした言葉である。堺市における食品衛生学および公衆衛生学上の大事件の教訓を無駄にしないためにも、ここで復習と食品衛生論の一段高い改善を進めていく必要性を読者とともに感じたい。
そこで、二度と大事件を飲食店で発生させないために食品衛生論的改善を「HACCPシステム(危害分析重要管理点)」を利用した手法で以下に簡潔に伝授しよう。伝授の重要なポイントはシステムであること。
では、システムという単語の意味は何かというと、「システムとは、複数の要素をもち、お互いに連動すべき、目的・機能をもち、包括性、全体性を特徴とする総体である」。
このシステムの定義は、「ブレイク・スルー思考法」の著者であるジェラルド・ナドラー氏の言葉を借りた。
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