日清食品「フーディアム」オープン10年、食と文化の情報発信拠点

1998.12.07 167号 16面

食と文化の情報発信基地としてオープン以来一〇年。会員五〇〇〇人に支えられて内容も充実。次世紀に向けさらに活動域を広げる日清食品「フーディアム」を紹介する。

日清食品(株)(東京都新宿区、Tel03・3205・5252)が、食文化の発信基地として「フーディアム」をオープンさせて一〇年になる。

「FOODEUM」=FOOD+MUSEUM、つまり「おいしい文化情報館」を意味するフーディアムは三階に拠点を置き、だれでも自由に出入りできるオープンスペースにしてある。

ここには全国組織の会員約五〇〇〇人を擁するフーディアムクラブの事務局、食に関する出版物の閲覧ができる食の図書館、各種イベントを行うセミナー会場、陶芸ギャラリーなどがある。

活動の柱となるフーディアムクラブは入会金三〇〇〇円(海外居住者は五〇〇〇円、有効期間一年間)を払い込めば会員になれる。

会員特典としては、食にまつわるさまざまな話題を満載した季刊誌「FOODEUM」(A4版、六八頁、全頁カラー、年四回発行、定価五〇〇円)の送付、フーディアムクラブ主催の各種食文化セミナーへの参加(無料)、食の図書館の利用(無料)と、陶芸教室、気功教室などへの参加(有料)がある。

各種セミナーの一つに毎月開催される「食文化セミナー」がある。12月末で七四二回を迎えるが、毎回応募者が多数のため抽選を行うほど。料理体験シリーズ六〇~七〇人、講義シリーズ約一二〇人が参加でき、希望者は往復はがきで申込みできる。

講師陣は料理の鉄人として知られる坂井宏行、道場六三郎、陳建一、周富徳、中村孝明の各氏はじめ、さまざまな分野で活躍する一流料理人をそろえている。

12月のセミナー内容は次の通り。

12月8日=「中華風おせち料理」山本豊(吉祥寺・竹爐山房主人)、10日=「具だくさんポトフ」中村勝弘(飯田橋・ホテルエドモント総料理長)、11日=「おせち料理酒肴」(西麻布・ゆず亭主人)、15日=「季節のもてなし料理冬編」(中村孝明なだ万総料理長)、17日=「年越しそば手打ち体験」鵜飼良平(上野・薮蕎麦主人)、22日=「上方の味・数々のおせち料理」奥村彪生(伝承料理研究家)

また、年四回刊行される食と生活文化のトータルマガジン「FOODEUM」は増ページ、内容もさらに充実させ四〇号目となる。 四〇号の特集「楊枝」の主な内容を紹介する。

特集=楊枝(日本の楊枝の歴史、江戸時代の楊枝、世界の楊枝、楊枝の種類と用途)/鼎談=浪花の食を語る(田辺聖子・石毛直道・熊倉功夫)/料理長直伝=「新宿中村屋」二宮健/世界食べもの紀行ブータン=「米とソバが主食の国」猿田智子/台所道具考=「桶と樽」小泉和子/食のことわざを科学するナス(中村孝明)など、料理人ばかりでなく幅広い層が楽しめる内容を満載。

食と文化の情報発信地「フーディアム」事務局を支えるのは広報部長の右近龍也氏ら六人のスタッフ。

「今までの蓄積を生かし、今後の事業活動に展開させていきたい」(右近氏)、またスタッフの一人、鈴木恵美子さんは「普通では会えない著名人と知り合え、また教養が広がり仕事にも張りが出てきます」と目を輝かせる。

〈フーディアムクラブの問い合わせ〉東京都新宿区新宿六‐二八‐一、Tel03・3205・5252、FAX03・3205・5259、ホームページ http://www.nissinfoods.co.jp/e‐mail:fdclub@mb.nissinfoods.co.jp

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