パフォーマンストレンド:陳建一麻婆豆腐店
連日五〇〇人の集客で、一六坪・二六席の店内は席が空くことなく熱気ムンムン。4月18日の「陳建一麻婆豆腐店」オープン以来の光景だ。
場所は、JR立川駅南口に建つ駅ビル「グランデュオ」七階の立川中華街。
八階からなるグランデュオは、各フロアにテーマ性をもたせ、若い女性をターゲットにファッション、ビューティ・ヘルスケアの五フロア、六階と七階の二フロアがレストラン部門という構成。
「日本人が親近感をもち、一フロアでにぎわい感を出せるインパクトあるものとして中華料理の集積店街にした」(JR東日本商業開発(株)木谷広報担当)という中華街。北京、広東、上海、天津など一七のレストランのほか、雑貨店、占いの店、計二〇店からなる。
ビル内ミニ中華街のキーテナントの一つが「陳建一麻婆豆腐店」。日本に麻婆豆腐を普及させた父・建民氏の後を継ぎ「四川飯店」当主として、また、中華・料理の鉄人として活躍する息子・建一氏の経営。
「駅ビルからの話があり、私個人もかねてから単品で麻婆豆腐の店をやりたかった」と出店の動機を語る建一氏。晴れて看板を掲げる喜びを隠せない。
メニューは、建民の味として親しまれている「四川飯店」の麻婆豆腐一品。当初は丼風の案もあったが、「客層に合わせての高級感を狙った」セットとなり、ご飯、漬け物、スープ付きで価格は税込み一〇五〇円。これに香り高い四川直送の粉山椒が付く。
「結果として混ぜて食べるが、辛さの好みはお客により異なる。いろいろな食べ方、混ぜ方でやってもらおう」と、お客参加型スタイル。あらかじめお客の好みを聞く「四川飯店」方式とは異なる。
本店の味を守りながら、新しい提供法をとる「麻婆豆腐専門店」。いままでにない新しい業態として新風を巻き起こすか気になるところ。
◆「陳建一麻婆豆腐店」(東京都立川市柴崎町三‐二‐一、グランデュオ七階、Tel042・540・2294)坪数・席数=一六坪・二六席/営業時間=午前11時~午後10時/客単価=一三〇〇円/一日来店客数=約五〇〇人/目標月商=八〇〇万円/客層=二〇~三〇代の男女がターゲット