ハウス食品がファミリー向けコンビニ商品新タイプの即席カレーなど発売へ

パン・シリアル 1999.02.01 8484号 1面

ハウス食品(株)が、市場の活性化を狙って“簡単調理”を切り口に、即席(ペースト)のカレーとハヤシ計三品を開発。16日から全国に新発売。初年度二五億円(三品)の売上げを目指す。

新製品は「ハウス カレークイック〈うまみとコクの中辛〉」「同〈スパイシーな辛口〉」と「ハウス ハヤシクイック」(各二一〇gレトルトパウチ=三~四皿分、小売二五〇円)。

“一〇分間で簡単に調理”がうたい文句で、調理時間をキーポイントに「この春の最重要商品に位置づけ」(マーケティング本部・伊藤研三マーケティングマネージャー室長)て、昨年後半の和歌山カレー事件の悪いイメージの払拭をも狙った、トップメーカーならではの新提案商品だ。

即席カレー市場は、昨年7月に和歌山のカレー事件(ヒ素混入)発生後、8、9月と売上げも前年割れし、カレーの最需要期を直撃。同社でも予定したCMやキャンペーンを取りやめるなど、対応に追われた。10月から需要喚起に取り組み、「12月は全体でクリア」と、やっと事件から立ち直ってきている。が、市場そのものは成熟といわれて久しく、ここ数年は新製品がヒットすると、既存品が減少する図式となっている。

このため、同社では新しい切り口での製品開発に着手。子供の減少やシルバー世代の増加など「家族でのカレーのあり方が変化」(一柳和文マーケティングマネージャー)。加えて有職主婦の増加、単身世帯の増加、家族構成人員(九八年二・七六人)の減少などを背景に、既存のカレールウに対する消費者の不満(調理時間、容量)を分析。

既存の即席カレー(ルウ)と「同等以上の味」で「煮込まない不安」にも対応し、三~四皿分になる量を溶けやすいペースト状に加工して商品化。材料さえあれば、フライパンで炒めて、ペーストと水を加えて少し煮込めば計一〇分で出来上がり。後片づけも楽という具合で「いそがしい主婦」「調理に時間をかけたくない人」「昼食メニューへの進出」など、新規需要開拓や既存品との競合を避けた「今までなかったファミリー向けコンビニ商品」(一柳氏)として、末端売場では即席の売場で展開。発売日の16日から「一気にテレビスポットを投入」。店頭でのデモンストレーション販売と連動させ、カレーおよびハヤシ市場の拡大を目指している。

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