百歳さんこんにちは:東京都・田村正榮さん(98歳)

2014.04.01 225号 06面
おいしい物を食べるのが、いまの一番の楽しみ

おいしい物を食べるのが、いまの一番の楽しみ

健康を考えて、最近は薄切りパンに。砂糖も控えめ

健康を考えて、最近は薄切りパンに。砂糖も控えめ

 東京・文京区にある特別養護老人ホームで暮らす田村正榮さん(98歳)は、若い頃から登山や山スキーを楽しんできた。「日本アルプスもたくさん登りましたよ。山頂で見る日の出や雲海は心が洗われます。新雪のシュプールも神秘的だし、山が大好きです」と懐かしそうに語る。そんな自らを“山女”と称す。

 ●登山とスキーに没頭

 正榮さんは数年前まで、文京区大塚の自宅で妹の富江さん、光江さんと3人で暮らしていた。2人の妹があいついで他界し、こちらのホームにやって来た。

 「小柄ですが、小学校の徒競走では足が速いと地元でも知られていました。鉄棒も得意で、運動神経は秀でていたようです。顔立ちもなかなかで、大手菓子メーカーのキャンペーンガールに抜擢されたこともあるんですよ」と、姪の直美さんは話す。

 正榮さんは「会社勤めも経験しましたが、私には合いませんでした(笑)。結局、山岳会を立ち上げたり、登山やスキーに没頭。登山家の今井通子さんのヒマラヤ・トレッキングツアーに参加したのが一番の思い出です」と語る。山の話は尽きない。

 ●茶道、華道の師範として

 会社勤めは肌に合わなかったが、茶道(表千家)、華道(古流)の師範として自宅で教室を営んできた。生まれも育ちも東京のため、東京大空襲や関東大震災を体験。食糧確保のため近県へ芋の買い出しに出かけたことなど辛い思い出も多い。「今後、こんな思いは誰にもさせたくない」と願っている。

 もちろん楽しい思い出もある。大の映画好きで、洋画は「カサブランカ」を7~8回は観たという。主役のハンフリー・ボガードに、亡き父親の太郎さんが似ていたからと言うのがその理由。太郎さんは地元の大塚坂下町で、初めて背広(スーツ)を来た人として知られていたとか。邦画は石原裕次郎の大ファンで、浅丘ルリ子共演の恋愛ストーリーに心をときめかせた。

 ●酢っぱい味が大好き

 いまの一番の楽しみは、おいしい物を食べること。「大好物は、厚切りの食パンにバターを塗り、その上に砂糖をまぶしたもの。子どもの頃から大好きなんです。年をとったいまでは、薄切りトーストにマーガリンを塗り、砂糖も薄くまぶしています」。

 何にでも酢をかけるのを好む。「酢をかけると、どんな料理もさっぱりとした味になるので、好きですね」。健康を考えてというより、酢の味そのものが好きなのだそうだ。

 「私は昔から食べるのが遅くて、家族との食卓も友人たちとの会食も、食べ終わるのがいつも最後でした」とも。それだけ噛む回数が多いということであり、それが元気と長生きの秘訣なのかもしれない。

 姪の直美さんは「叔母は日本酒が大好きで、今は控えていますが、私の母とよく熱燗を楽しんでいました」と振り返る。おてんばぶりを示すエピソードは、まだまだありそうだ。

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 あなたの周囲の元気な99歳(白寿)以上の方をぜひご紹介ください。百菜元気新聞編集部TEL03・6679・0212

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