ヘルシートーク:俳優・大沢たかおさん

2008.05.10 154号 05面
ハチマキにGジャンのこのスタイルは自分で考えました。大体いつも役柄の服は自分で選んでますが、これはちょっとやりすぎたかなあ(笑)。でも僕が思う築地とか熱血の赤木旬太郎って、こんなイメージだったので

ハチマキにGジャンのこのスタイルは自分で考えました。大体いつも役柄の服は自分で選んでますが、これはちょっとやりすぎたかなあ(笑)。でも僕が思う築地とか熱血の赤木旬太郎って、こんなイメージだったので

 美味と人情があふれる“食のワンダーランド”築地魚河岸を舞台にしたロングセラーコミック「築地魚河岸三代目」(小学館「ビッグコミック」)がこの夏、映画になる。主演の大沢さんに撮影裏話をお聞きした。

 ●祖父母が築地で商売してました

 明るくて温かくて、すごくいい現場でした。役者みんなが芝居に真摯に取り組んでいて。僕の役、意外性ありましたか? そう、ミスマッチに取り組もうと思いまして(笑)。

 でも僕、祖父母が築地で商売してたんですよ。魚河岸の真ん中あたりにある「茶屋」といって、買った魚を置いておいて、それを車にどんどん振り分けていく仕事があるんです。だから築地の話はすごく近い感じ。実際今度、築地の市場で撮影して、すごく気持ちのいい空気が流れている場所だと思いました。活きのいい魚たちがいっぱいで、人も活きがいいというか、生命力にあふれている。どこでどうしたのか最近、街にはエネルギーがなくなっちゃったけれど、築地の人たちには、そういうエネルギーが健在です。

 ●大人に“リアル”と思ってもらいたい

 僕が演じる赤木旬太郎という主人公は、自分の思った通りに生きる、曲がったことができない男です。もしかしたら周りの人にとっては迷惑かもしれないし、無茶無謀という言い方もある。物語上の人物なので、世の中の実際からしたら特殊でしょう。けれど実は、世の中の男が誰でも持っている部分だったりするんですよ。普通はそれをちゃんと言えなかったり、行動にできない。立場や社会の見た目、体裁とかあるわけじゃないですか。僕ももちろんその一人なんだけど。でもできれば蹴飛ばして飛び出してみたい…そんな願望が、実は誰しもあるんじゃないかな。観る人みんなの中にあるモヤモヤをスカっとしてほしい、弾けてもらえたらなと思って演っていました。

 結構、役にのめりこむタイプなので、一つの作品が終了したら、旅に出ることで気持ちを切り替えていました。アメリカでは仕事の合間に映画館ばかり行ってまして。平日の昼間、大人ばかりなんですよ。日本では若い層しか映画館にいないのに。それは、大人が気軽に観に来られる映画がそんなにないからだと思うんです。そういうのをいつかやりたいなと思っている時に、この作品と出会って。泣けるとかそういうことではなくて、もがきながら懸命に生きている人たちに、リアルな映画だと思って観てもらえたらいいなと思います。

 ●スペイン料理もいいけれど、好きなのは日本の焼き魚

 モデルをしていた22、23の頃、ヨーロッパのどこかで仕事をして、その後一人でバックパックでスペインに行ったことがありました。マドリードやバルセロナ、あと海沿いの何とかという街。お酒を飲む店でフライやオイル漬けの地魚を食べたなあ。すごくおいしかった。

 でも一番好きな魚料理はというと、日本の魚。特に焼き魚が好きです。秋に食べるサンマ、それからオスのシシャモとか意外と旨いんですよ。普通のなんてことはない、朝、食べるアジの開きとか。そういうのがすごく好きなんです。大根おろしにしょうゆをかけて。いいですよね。

 ○プロフィール

 おおさわ・たかお 1968年、東京生まれ。94年、ドラマ「君といた夏」(CX)で俳優デビュー。04年、「解夏」で日本アカデミー賞優秀主演男優賞。同年の「世界の中心で、愛をさけぶ」は社会現象になるほどの記録的ヒットとなった。06年、「地下鉄に乗って」で日刊スポーツ映画大賞助演男優賞、日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。07年は「眉山-びざん-」「Life 天国で君に逢えたら」「ミッドナイトイーグル」など。

 ◆「築地 魚河岸三代目」登場のまぐろコロッケ

 〈材料〉

 まぐろ、タマネギ、しょうゆ、酒、塩、しょうが、じゃがいも、小麦粉、溶き卵、パン粉、揚げ油

 〈作り方〉

 (1)まぐろを小さめのサイの目に切る。タマネギはみじん切りに切る。

 (2)まぐろの漬けダレを作る(しょうゆ、酒は同量、しょうがの絞り汁を少々入れる)。

 (3)(1)のまぐろを(2)のタレに30分~1時間くらい漬ける。

 (4)フライパンに軽くサラダ油を入れ、タマネギを炒める。

 (5)タマネギを炒めたら(3)のまぐろを入れ、よく炒める。

 (6)じゃがいもは塩ゆでにしてつぶしておく。

 (7)(6)に(5)を入れ、よく混ぜる。

 (8)(7)を冷蔵庫に入れ、冷やして余熱を取る。

 (9)(8)を適当な大きさに形を整える(たわら形、小判形等)。

 (10)(9)に小麦粉と溶き卵、パン粉を付け、180℃油で揚げる。

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