目からウロコ 目の老化を防ぐ生活術

2005.03.10 116号 2面

人は情報の80%を目から得るという。目の機能低下は、日常生活に甚大な影響を及ぼす可能性がある。目の老化現象と予防策について、最新の抗加齢医療を行っている眼科医、マリーシアガーデンクリニックの高橋洋子副院長に聞いた。

目は直径24ミリほどのピンポン玉型。その構造は実に複雑で、老化も部位ごとに異なる。「例えば水晶体は、生まれたときは透明のゼリー状ですが、加齢につれタンパク質がたまり固く石けんのようになり、白く濁ります。すると水晶体が変形しにくくなりピント合わせがしづらくなったり(老眼)、かすみ目や視力低下が起こります(白内障)」。

目の老化にはこのほか、視神経の障害(緑内障など)・網膜剥離・眼底出血・ドライアイ・角膜周辺の脂肪蓄積などがみられる。

東洋医学では“目は臓腑の精”といわれる。内臓の故障や体調の変化によっても目の働きが悪くなることもある。

「網膜など眼底には細かい血管が網の目のように張り巡らされています。高血圧や動脈硬化・腎臓病など血管の変化を起こしやすい病気は、眼底出血など目にも異常を生じやすい。また糖尿病の人は血糖をコントロールして合併症の網膜症を防ぐことが重要」。糖尿病性網膜症は現在、成人の失明原因第1位。全身の病気の管理を行うことが、目を守ることにもなる。

光を取り込む目は、常に紫外線にさらされ、活性酸素が過剰に発生しやすい。活性酸素とは、呼吸で取り入れる酸素の一部が体内で変化して細胞や血管を酸化し傷つけるもので、老化の原因とされている。「例えば白内障は、水晶体中のタンパク質が活性酸素などによって酸化し変性することから始まります。白内障の人の水晶体には、抗酸化物質・ビタミンCの減少が確認されます」。また黄斑変性症は、網膜に含まれる脂質が活性酸素によって酸化して黄斑部が変性し、目に障害を与えるとする説が有力だ。

目には元来、活性酸素と戦う抗酸化物質、ビタミンCやルテイン・グルタチオンなどが他の臓器より多く備わっている。しかし、加齢によりその量は減るので、食べ物から抗酸化物質を摂取することが必要。「老化を防止する食べ方は、まんべんなく、腹八分目に、天然に近いものを、丸ごと食べる(全体食)こと。抗酸化物質の摂取は、ビタミンA・C・Eや亜鉛・銅などをバランス良く含むマルチ系サプリメントがおすすめです」。

☆注目の抗酸化成分・ルテイン=ルテインは、私たちの目(黄斑部など)に存在する大切な抗酸化物質。紫外線を浴びたり、テレビやパソコンを長時間見続けたり、喫煙などで少しずつ消費されていく。ヒトの体内では生成できない栄養素・カロテノイドの一種で、青汁原料のケールやほうれん草に多く含まれている。

◆知っとこ! 加齢に伴う目の病気

◎近くが見づらい

老眼:レンズの役目をしている水晶体が固くなり、ピントが調節しづらくなる。近くのものを見る時には水晶体が厚くなってピントを合わせるのだが、加齢につれ水晶体の弾力性が低下し、十分に厚くなれず、ピント調節できなくなる。老眼鏡をかけないでいると、視覚情報を処理する脳に無理がいき疲れがひどくなる。

◎かすんで見える

白内障:水晶体が濁り、かすみ目や視力低下が現れる。水晶体は光を通すレンズの役目をしており、正常なら透明。が、加齢につれタンパク質が変性すると白く濁り、光がうまく通らず、かすんで見えたりする。一度濁ったら回復することはなく、濁った水晶体を取り人工レンズを入れる手術で視力は回復する。

◎片目と両目とで見え方が違う

緑内障:視神経の障害で視野が狭くなる。無自覚に進行し、失明にも至る。目は、形や機能を保つため圧力(眼圧)が一定に保たれている。房水という液体を常に作っては排出して眼圧を保っているが、排出口がつまるなどバランスが狂うと眼圧が上昇し視神経が傷つく。傷ついた視神経は元に戻らないので早期治療が大切。

◎視野の中心がゆがむ

黄班変性:中高年層に急増。網膜の中心・黄班部が異常をきたし、視野の中心部がゆがんだり見づらくなる。放置すると失明の危険も。網膜の細胞が老化し老廃物がたまり、それを吸収しようと異常な血管(新生血管)が伸びてくる。新生血管はもろく、漏れた血などがたまって隆起し視力障害に至る。

◆おすすめ生活術 実践!毎日3時から10分間、目のホットパック

目の老化予防は、健康状態を良好に保ち、目にストレスをかけないことも大事。テレビやパソコンを見続けたりすると、目は疲れストレスも大きい。適度に目を休めよう。「毎日午後3~4時の間で10分間、目のホットパックを習慣づけましょう。目を閉じて、温かいおしぼりをのせる。すると近方視力が復活することが、実験で明らかになっています。20代の人なら目を閉じるだけでもOK。30代以上の人は、ホットおしぼりで目の周りを温め血行を良くしてあげて。おしぼりは冷たいものより温かい方が、より効果的です」と高橋副院長。ただし、緑内障などで眼圧が高い人は眼科医に相談を。

◆最新の抗加齢医療を癒しのスペースで マリーシアガーデンクリニック

抗加齢医療とは、老化を予防する新しい医学。マリーシアガーデンクリニックでは、病気治療だけでなく、東洋医学や代替医療、食事・運動・精神療法、美容療法を重視。ワンダフルエイジングをめざし、専門医と医療コンシェルジュが、個々の状態に合わせたエイジングをケア。筋肉量を増やし成長ホルモンを活性化する運動療法・ダイエット指南も好評。毛髪ミネラル検査で体内の有害金属蓄積度を測り、キレーション(排泄)処置なども行う。

内装はアジアンリゾートのイメージで作られた癒しのラグジュアリースペース。目を休めるホットパック&マッサージ(10分1000円)も人気。

▽マリーシアガーデンクリニック 東京都新宿区西新宿3-7-1新宿パークタワーN棟11F フリーダイヤル0120・550・104 ホームページhttp://www.mareesia-gcl.jp/

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