カエル先生のかんたんストレッチ:股関節を柔らかく

1998.05.10 32号 7面

「身体が柔らかい」というと、どの部分が思い浮かぶでしょうか? おそらく多くの人が股関節を想像するでしょう。バレリーナや体操選手の開脚ストレッチをみて、「人間業ではない…自分には必要ない」と気持ちがひいてしまう人が多いようです。もちろん一八○度足を開いて、車に引かれた蛙のように、地面に平伏す必要はないのですが、股関節の柔軟性は腰痛予防などに欠かせない要素の一つなのです。

関節には数タイプあって、動く方向を何種類もっているかによって分類されています。例えば、肩関節や股関節はヒジやヒザよりも複雑な動きをする(いろいろな方向に動く)関節なのです。

当然それだけ多くの種類の筋肉が付いているわけで、ストレッチや筋力トレーニングも動く方向に対してまんべんなくやらなくてはなりません。ただ「まんべんなく」が難しく、自分の好きな(比較的柔らかい部分の)ポーズに偏りがちになるようです。前後左右できればぐるりと三六○度、どの方向にも伸縮する均整のとれた股関節にすることで、姿勢が整い腰の重みがとれます。

柔軟性のない筋肉、あるいは使用回数の多い筋肉の方に骨盤が引っ張られると、姿勢が崩れます。バランスが悪い、そのままの姿勢をキープすると、負担(体重)がある部分に集中し、痛みやだるさを作り出します。

ストレッチをする際「痛い痛い」(そして息をのみ、呼吸を止める)、これは絶対ダメです。「はー気持ちいい…ZZZ…」、この調子で進めてほしいのですが、できればさらに、伸び具合(方向、強さ、呼吸)をコントロールしてみて下さい。それだけで気分は“一流アスリートのウオーミングアップ”!!

(スポーツインストラクター 高杉節子)

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