ザ・ニッポン地方発 松茸(丹波篠山) 秋の味覚便50年

1997.10.10 25号 17面

朝晩の冷えが急に深まる秋を迎えると、毎年思うことがある。五○年余前から続いている我が家の秋の味覚便がある。

兵庫県丹波篠山から祖母が採りたての香りの良い松茸、大きな丹波栗、黒豆の枝豆を背負って当時のトレンディーな汽車だった特急「はと」に乗って上京して来て、親戚中が集まって、松茸の食卓を囲んだ。

祖母が他界し、新幹線が走ってからは父が宅急便屋さんを買って出た。新聞紙に包まれた松茸を駅で分けてもらって帰った。貴重になった松茸はご飯とお吸いものになった。

盆地の玄関篠山は、南に白髭岳、東へ愛宕山、三国岳、北の多紀連山に囲まれ、昼夜の温度差があるため、味が特によいと言われてる。その地を一度見たくて大阪からJRの特急で一時間余で篠山口に着いた。あちこちに、松茸狩り、栗拾いの案内の看板が目に入る。

城下町篠山はお城の建物は、壊されてないが、城下町としてのたたずまいを守り、特産物の高価な松茸料理も、あちこちで味わうことが出来る。年々採れる量が少なくなっているとはいえ、ザルいっぱいの山からの産物は見事であった。来年もこの季に尋ねて秋を満喫し、恒例の我が家の外食にしたい。

●松茸ご飯(4人分)

〈材料〉松茸開いたの1本、コメ2カップ、酒大さじ1杯、塩少々、しょう油適量、ダシ昆布5g

〈作り方〉

1 コメは洗ってといで30分おく。

2 松茸は汚れをぬれ布巾で取り切る。

3 お釜に材料を入れ水をいれて炊き、炊き上がったらすぐに手を通す。

●松茸豆腐(4人分)

〈材料〉松茸1本、豆腐半丁、玉子2個、ダシ汁2カップ、酒小さじ1杯、塩少々、しょう油少々

〈作り方〉

1 玉子はよくといでダシ汁、調味料とあわせる。

2 豆腐は4等分する。

3 松茸は薄く切る。

4 器に豆腐、松茸、玉子汁を入れ中火で15分むす。

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