21世紀の食卓は安全か オーガニック食品、遺伝子組み換え食品
オーガニック食品と遺伝子組み換え食品は、「地球保全」という共通目的を持つ。後者に至っては安全性が問われるなか「農薬使用の抑制が計れ、人口増加に伴う食糧確保に必要な技術は地球保全」と農林水産省食品総合研究所分子機能開発研究室、日野明寛室長は主張。生産方法に違いはあるがどちらも、二一世紀の食からの健康を見据えての積極的な活動が注目される。先月16日、日本食糧新聞社主催「食品ニューテクノロジー研究会」では二一世紀の食を支える食品としてオーガニック食品、遺伝子組み換え食品の双方についての専門家を座長、講師に迎え活発な議論を展開した。食の安全、地球の保全は守られるのか、他人まかせには出来ない時代が到来した。
●オーガニックの現状
“オーガニック”“有機”に関する記事が毎日のように報じられ一種のブームの様相を呈しています。
欧米でいうオーガニック食品は通常品とは完全に分けられ生産、保存、輸送、販売がされますから日本の農水省が発表しているガイドライン(基準)とは厳しさの点で大きく違います。さらに認証団体の有無、違反時の罰則、消費に至る考え方において違いがあります。
日本で“ORGANIC”を訳すと「有機体の」「本質的な」という意味ですが、「無化学肥料」「減農薬」という言葉までが同時に使われ、非常にわかりにくいのが現状です。
●エコロジーとしてのオーガニック
欧米的な意味合いではオーガニック農産物・食品というものは「環境保全型農法・生産法」と認識されているようです。欧米の消費者の多くはオーガニック食品を購入することは健康はもとより、程度の差こそあれ地球環境の保全に貢献しているという感覚を持っていると思われます。消費理由についてのアンケート結果でも日本の消費者は安全性・健康に良いが上位にきて環境についてはまったく出てきません。
●日米に見るオーガニック市場の今後
米国においては一九九○年にわずか一○億ドル産業だった市場規摸は九五年には二三億ドルに達し、二○○○年には一○○億ドル、二○一○年には一○○○億ドルにも成長すると予想する向きもあります。
日本でも今後、環境保全・エコロジー教育が進み、環境保全に役立つと認識されるようになった暁には一時のブームではなく底の深い大きなオーガニック食品の需要が見込まれると予想します。
●遺伝子組み換え技術は二一世紀の地球を支えるキーテクノロジー
西暦二○五○年までに地球上の人口は一○○億人に達すると推定されます。にもかかわらず現在の食糧供給体制では八○億人しかまかなえず、現在のような生活が維持できなくなることが示されています。
これに対応しなくてはならない。遺伝子組み換え技術は農作物の反収の増加や多くの病虫害耐性作物開発につながります。農作物の生産性が飛躍的に向上し二一世紀の地球を支えるキーテクノロジーといえるでしょう。
●オーガニックと遺伝子組み換え
遺伝子組み換え農作物開発の背景は農業コストの削減、農薬の使用量の減少、地球環境にやさしいという点でオーガニック食品に共通しています。
オーガニック食品で使われている農作物の品種も通常の品種と同じであろうし、それはヒトが長年かけて品種改良してきたものです。従来の品種より病虫害に強い遺伝子組み換え農作物品種は、見方を変えればオーガニック農作物生産にも貢献できるということになります。
●科学的な安全評価
遺伝子組み換え実験の成功から二○数年がたち日本においても九六年秋に七品種の輸入が可能となりました。しかし、消費者の間では「自然でない技術は不安」「予期せぬ性質をもった生物ができるかもしれない」「環境に有害な影響を与えるかもしれない」など精神論的な漠然とした不安が広がっています。これらは科学的データに基づかないイメージによるものがほとんどです。
今後は遺伝子組み換え食品の安全性の考え方、開発された背景を消費者に説明していく努力が必要です。














