味なCMおっかけ話 スポーツは語る 牛乳のバランスのよさ J-Milk
さまざまな名場面を生んだ、アトランタ五輪。覚えていますか? 男子一一〇mハードルで優勝したアメリカのアレン・ジョンソン選手の走りっぷりを。いや、倒しっぷりというべきか。彼はなんと、八台のハードルを倒して走って五輪新記録をだした。
たしかにハードルを倒しても失格にはならない。が、専門家は「転ばなかったのが不思議。わざと倒そうにも、あんなにうまくはいかない」と話す。
ハードルといえば、バランスの良さ。そこをうまく活かしているのが、今秋のJ‐MilkのCMだ。
試合に勝ち、仲間から祝福を受け満面に笑みを浮かべる女の子。その試合のもようが逆回しで写しだされる。大きく腕を振って、すーっと脚を伸ばし、リズムよくハードルを越えながら、どんどん後ずさりしていく。
さらに逆回しを続けていくと、スタート前、彼女は“なにか”を飲んでいる。どうやらそれが勝利の秘訣のよう。むむ? ドーピングか? その飲み物の正体とは…というストーリー。
「牛乳のバランスのよさ」を、ハードルの映像がみごとに表現。まさに百聞は一見に如かず、スポーツシーンには長ったらしい解説なんていらないのだ。
また、女の子のブルマー姿、イヤ、真剣な表情に、やっぱりスポーツっていいなと爽快感を感じる。
出演している女性ランナーは六人全員が元陸上選手。
「試合シーンの撮影は雨にたたられ二日間に及んだ。練習のしすぎでみんな相当バテていたが、さすが経験者、最後まで一人も脱落することなく無事撮影を終了しました」とJ‐Milk広報担当の内橋政敏氏。
陸上選手のCM出演にはアマチュア規定などいろいろ制約があるそうだが、機会があれば、例のオリンピックの決勝戦シーンの逆回しも見てみたい。
彼が跳ぶたびに、ハードルがパタパタと起き上がる。さぞやせわしない映像だろう。でも究極のバランスを表現するには、もってこいかも!?