カルシウム不足にご用心 牛乳は食品界の金メダリストだ
飽食の時代に生きる今の日本人に、唯一足りない栄養素はカルシウム。長年のカルシウム不足が原因で、ある時ポキンと骨折。そして寝たきりになると、老後の豊かな精神生活にも支障をきたし、本人がつらいばかりではなく介護する家族の負担も大きい。カルシウム不足は、長命化する日本の社会問題の一因ともなりかねない。
骨粗しょう症の最も有効な予防方法は、(一)思春期に最大骨量をできるだけ高めること、(二)更年期からの骨量の減少をできるだけ抑えることだ。
コップ一杯の牛乳(約二〇〇ミリリットル)の中には、一日に必要なカルシウム量の三分の一、約二〇〇ミリグラムのカルシウムが含まれている。牛乳には乳糖、カゼインなどカルシウム吸収を助ける成分が含まれているので、吸収率は四〇%と、小魚や野菜など他の食品と比べても摂取効率がよい。
牛乳が苦手と言う人はスキムミルクやチーズ、ヨーグルトを。スキムミルク大さじ二杯半で牛乳カップ一杯分のカルシウムを含んでいる。
卵焼きやポテトサラダ、カレーなどに入れると味がまろやかになる。
Q…牛乳は太るのではないでしょうか?
コップ一杯の牛乳のエネルギーは、約一二〇キロカロリー。コレステロールは、1日三〇〇ミリグラムが目安量だが、牛乳コップ一杯には二三ミリグラムしか含まれていない。しかも牛乳にはカルシウムをはじめ、たんぱく質、各種ビタミンもバランス良く含まれているので、太るどころかダイエットに最適の食品なのだ。
身削って骨削らず。上手なダイエットを牛乳で。
Q…牛乳は種類によってカルシウム量は違うのですか?
牛乳には、普通牛乳・低脂肪乳などがあるが、低脂肪乳のなかにカルシウムを強化したものがある。とくに脂肪を制限している人には低脂肪乳の方がベター。
Q…牛乳は、朝飲むむのと夜飲むのではどちらが効果的?
答えは「どちらも」。牛乳を朝飲むことのメリットは、目覚めを良くしお腹の調子を整える。夜飲むことのメリットは、寝ている間に成長ホルモンが働いて骨を作るときの材料となることと、牛乳に含まれるペプチドが安らかな眠りをもたらすこと。
さらに牛乳は眠りの持続にかかわるセロトニン成分を作っているトリプトファンというアミノ酸を多く含んでいるので、精神が安らぎ、安眠できるといわれている。
寝付きの悪い人にお勧めだ。
◆生活配慮度の高い主婦ほど牛乳の購入量が多い
「カルシウムを効率よくとるための優等生は牛乳」。骨粗しょう症対策の普及とともに中高年女性の牛乳飲量はここ数年伸びている。
家族の健康管理を担う主婦にとって、安くて手軽で毎日飲んでも飽きない健康食品であることも牛乳人気の理由のひとつだ。全国牛乳普及協会が行った消費動向調査によると、生活配慮度の高い主婦ほど牛乳の購入量が多いという。さて、あなたの生活配慮度は何点?
牛乳を毎日二〇〇ミリリットル以上飲む人は、そうでない人よりも長生き。東京都老人総合研究所の柴田博副院長は「牛乳を毎日飲む人は運動習慣・喫煙などライフスタイル全般でも優れていました」と語る。
クオリティー・オブ・ライフは自分の健康管理から。その第一歩として牛乳を毎日飲む習慣を持つ。よく日光を浴び、歩くなどの軽い運動を毎日心掛けることも大切だ。
◆焼きなすのごまミルクあえ
●材料(4人分)
なす=6本
ごまペースト=大さじ2
しょうゆ=大さじ1
牛乳=大さじ3
砂糖=小さじ1
●作り方
(1)網焼きしたなすの皮を向き縦半分に切りさらに斜め3等分する。
(2)ゴマペーストと牛乳、調味料をよく合わせ、(1)を和えてでき上がり。
(出典:(社)全国牛乳普及協会『ミルクのレシピ』、料理:加藤美由紀氏)