「百菜元気」春のシンボル「菜の花」

1996.03.10 6号 17面

今回は「歳」を「菜」にチェンジして花菜(はなな)という野菜を紹介したい。というと「どんなもの?」と思われる向きも多いだろうが、実はこれ、皆さんご存じの菜の花のこと。

「菜の花畑に入り日うすれ…」と歌われる童謡「おぼろ月夜」にもあるように、菜の花は古くから日本の自然にマッチした庶民の花的存在だ。現代の花菜には愛らしい黄色の花を持つ観賞用のものと食用のものの二つがある。

もちろん両者とも元は同じであったが品種改良がなされ食専用の種が誕生。“春の味”と称される特有の苦みはゴマ和えやおひたしに最適の大人の味だ。

まさに旬の今、ぜひ味わいたい一品だ。

菜の花を原料とする商品も多い。古くから「なたね油」という名前で親しまれてきたものは最近では「菜の花油」というかわいらしい商品名で再登場。他には「菜の花畑シャンプー・リンス」など自然、健康志向が高まるなか支持されている。

ところで一方の観賞用の菜の花。これは絶対いましか見られないだろうと思いながら千葉県の観光園芸課にうかがった。驚いたことに初冬の12月から鑑賞はできるそうだ。

出荷用には3月下旬まで、鑑賞用には4月下旬まで楽しめるとのこと。

花言葉は「快活」。ぐんぐん茎を伸ばし太陽に向かっていっせいに咲き誇る姿は陽気な春のシンボル。暖かな春の日、みごとな菜の花畑を見に出かけてみてはいかが。

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