今、築地魚市場がオモシロイ 大人気の早朝見学ツアー

1995.12.10 3号 3面

どこの街に行っても市場はオモシロイ! なんといってもあの活気に圧倒される。東京中央卸売市場、通称「築地魚市場」もまだ夜の明け切らぬうちから威勢のいい声が飛びかう。東京の台所「築地魚市場」を紹介しよう。

築地魚市場は「築地魚河岸」とも呼ばれ古く江戸時代に誕生した。江戸っ子の粋を誇りに守られ昭和初期に公の組織となる。

現在、築地市場には一日に五万九〇〇〇人、車両一万六〇〇〇台が出入りする。入荷、販売、買出しおよび場内の清掃など二四時間活動し続ける。

取扱う量は毎日約二五〇〇t。そのうち大物といわれるマグロは冷凍マグロが三〇〇〇~三五〇〇本(一七〇t)。生鮮マグロが七〇〇~八〇〇本(五〇t)、その他、活魚・鮮魚、貝や加工品が扱われる。

一日当たりの取扱い金額は約二三億円にもなるそうだ。

築地魚市場は、外国人向け日本観光案内書に「銀座のすぐそば、魅力的スポット」と紹介されている。早朝のセリ風景を見学する外国人の姿が目に付いたことから「市場見学ツアー」を企画した大野正氏は、大野水産(株)の代表取締役であり現場魚河岸の老舗仲卸「伊勢平」の五代目だ。

「ツアーはセリの邪魔にならないように二〇名くらいで行います。参加者は男女半々、地方の方の参加もありますよ」と語る。四年間で参加者は延べ二〇〇〇人。クチコミで広がり、マスコミが取り上げ、今や人気のツアーとなった。

大野氏は「大野水産」を創設し、鮮魚宅配便という新ビジネスを展開している。

「一流料理店や高級すし店向けの築地の高級魚は、一般小売店頭で手に入れることは難しい。だけど築地のおいしい魚を一般家庭でも味わっていただきたいじゃないですか」とファクシミリで注文を受ける。

会員制で現在その数は約一〇〇〇名。会員には定期的に月二回、“築地ナマ情報「ルゥイナーク」”が届けられる。その時々の旬の魚を紹介しファクシミリを通じて販売が行なわれる。値段はその仕入値により決定する。相場が安ければもちろん安くなるわけだ。その他年二回、カタログによる案内もあるなど盛りだくさん。

さて今年の年末は何がおススメか聞いてみた。「今年はサケが安い。だから、イクラもいいよ」とのこと。お正月の食材に築地のイクラはいかがですか?

◎問い合せ先=大野水産(大野正社長)

Tel03・3545・3518、Fax03・3541・4067

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